【HQ】プリンは理解に苦しむ

12.冷たい声 ページ12

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やばい


これはやばい


全身に冷や汗が伝うのがわかる




「あの、藤井さん…？」



『えっあ、はい！えっと、』



「はは、こんなこと急に言われても困るよね」



『ううん！そんなことないよ、ただ…』



「ただ？」



『び、びっくりしてもうて、』




待って待って藤井。藤井、待って


何でこっち見ながら言うの


それもう完全に俺にびっくりしたってことだよね



やっぱりここから早く移動した方がいいかな

告白の邪魔しちゃいけないもんね


そう思うと少し息苦しくなった




「驚くのも無理ないよ。俺と藤井さん、あんまり喋ったことないし」




その一言を聞いた途端、唖然とした


何を言ってるんだ。この人は




「でも！俺、藤井さんのことちゃんと好きだから、よかったら俺と付き合って欲しい。お願いします」




そう言って頭を下げた男に、俺は心底腹が立った


藤井のこと何も知らないのに、なんで告白なんてしてるの。何がちゃんと好きだから、だよ。意味わかんない──



そこでハッと気付く



──意味わかんないのは俺の方か


自分の気持ちに気付かないフリして何やってんだ



チラ、と藤井の方を見ると少し悩んだ表情をしていた。藤井は整った顔立ちしてるから、どんな表情でも絵になると、思った


そう思った途端

トクンと心臓が跳ねた



あれ、俺──









『ごめん』




藤井の声で、意識が戻される


断った…？




「え、」



『あんまり喋ったことないし、あんた、私のことよく知らんやろ。私もあんたのこと知らへんから、これはおあいこやけど』





藤井の強い言い方に、少し疑問を感じた


普段はそんな言い方しないはずなのに





「そ、れは、これから知っていけば」



『あとな、私』






藤井の声って、







『好きな人おるから』


























こんなに冷たかったっけ




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