純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ35)

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「楽しかった…！」

「でしょ〜？」

私を家の前で下ろすと、満足そうに笑顔を見せる慎ちゃん。

「こんなに家近いんだね」

「そうなの」

「いいな〜
てか俺らのメンツの中でAの家知ったのってもしかして俺が初めてなんじゃない！？」

違うけど、なんか盛り上がってるからあえて大我も知ってるよとは言わないでおく。(笑)

「まぁ、どうでしょうね〜」

「えー！！
いや待てよ…うわー、きょもとか知ってそうだな」

「えぇ、なんでそう思うの？」

「だってお前ら二人最近なんか距離近いからさ、なんならちょっといい感じなのかと思ってた」

いい感じ……

いや確かに家まで送ってもらってお泊まりもしたし

授業も一緒にサボったし

あとは連絡取ってたりたまに電話したりとか、そのくらい。

「そんなんじゃないけどね」

「そうなんだー。
きょもが女の子と仲良いの珍しいから勘ぐっちゃうぜ」

「そうなの？」

「うん。
Aがそんな気なくても案外きょもはどうかね〜(笑)」

大我くんが私を……？

もし、仮に大我くんが私の事を好きだったら…？

「いや、いやいやない。絶対ないって」

「分かんなくね？
まぁ俺らそういう話しないから分かんないけどさー、俺的にはある気がするんだよなー」

「そうなんだ……」

「わかんないけどね〜」

「じゃ、また明日ねー！」

そう言って慎ちゃんは自転車に乗ってサーっと帰って行った。

学校から出た時ぶりにスマホを開くと

″ A ″

″ もう帰った？ ″

と、大我からの連絡がきていた。

自転車の後ろに乗る事に集中していたせいで全然通知に気づかなかった…

″ ごめん気付かなかった！もう家 ″

ごめんね、と可愛いうさぎのスタンプも添えてスマホを閉じた。

送信してすぐにまた大我からの通知があったけど、通知だけ見て返信はしない。

別に大我の事はなんとも思ってないのに、今は大我の事を考えたくなかった。