36 ページ36
*
文化祭まであと1週間。
のんびり準備していたせいで、大道具係の私たちは今とても焦っていた。
「なんで土曜日に学校来る羽目に……」
「仕方ねえだろ〜。
みんな部活なり遊びなり優先してたんだからよー。」
愚痴を垂らすはるの頭にデコピンを食らわす、一応リーダーの上田くん。
リーダーのくせに1番部活に参加していたのはどこの誰なのやら。
「あんただけには言われたくないね」
「さ、さぁーやるぞやるぞ!」
上田くんの合図で、いつから始めたのかすら覚えていない作りかけの道具達にペンキで色を塗ったり、各々担当の仕事を始めた。
未だにはるとは会話もなく、同じ大道具係になったものの担当は全く別の物の為会話は1度も交していない。
看板作り担当(何故か1人)の私は黙々と作業をしていた。
1番よく使う黒と白のペンキがない。
支給された時の籠や、上田くんやはるたちの方を見てもペンキは上田くんの手元にある分だけだった。
生徒会から支給された時、こんなに少なかったっけ。
分からないから上田くんに聞こう。
「ねぇ、黒と白のペンキないんだけどどうしよう?」
「俺らのところの分で最後なんだよねー。
てか、ここですら足りねえ!他の班が使ったのかも…」
「これって生徒会からもう貰えないの?」
「足りない分は他のクラスの余り回すか自腹だって」
「まじか。」
他のクラスの分を回すのはまだしも自腹とかあるんだ…
そもそも自腹って、誰が払うんだろ。
「ごめんA!俺今手放せなくて、他のクラス行ってきて貰えない?」
そう言う上田くんは顔や両手が何故かペンキだらけだった。
「うん、分かった」
「さんきゅ」
他のクラスになかなか友達なんていないし、どうしよう…なんて思いつつも、とりあえず行かなければ。
隣のクラスなら田中くんが居るし、あとは8組。
2クラスはいけそう。
786人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まいやん(プロフ) - 更新お疲れ様です!いつも楽しみに読ませていただいています!これからもご自身のペースで頑張ってください! (2022年8月8日 17時) (レス) id: 9a00c406d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴぇ | 作成日時:2022年8月1日 19時