純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ19)

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「えっと…」

「私には言えないこと？」

「あーいや、そういうんじゃないんだけど」

なんで怒ってるの…

怒ってるはるに対して嘘をつくことなんてしたくないし、かと言って本当の事話すのもなんて言われるか…

「んー…色々事情があるんだけど聞いてくれる？」

この空気が耐えきれず、本当の事を話す事にした。

「で、泊まってたから一緒に来たって事なんだけど…」

1から全て説明しても不機嫌なはる。

「えっと…はる、」

「それってやばくない？付き合ってもないのに普通異性と2人きりで泊まる？」

「いやまぁ、そうなんだけど」

黙って聞いてくれていたかと思えば、思う所は多々あるようで。
はるの不満が止まらなった。

「しかも親もいないって…本当に何もしてないの？」

「し、してないよ！大我だよ？！する訳…」

「京本だって男なんだよ？Aがその気なくたってどうせそういう事しか考えてなかったと思うよ。
覗かれたりしてたんじゃない？」

心配してくれてるのかなんなのか。
仮にそうだとしたら申し訳ないけど、こんなに怒られて良い気分ではないし寧ろありがた迷惑もいいところ。

「ねぇ、なんでそんな事言うの」

「逆になんで京本の肩持つの？
あんな大雨の中びしょ濡れで家まで送って家上がってって、全部京本の計算だったんじゃない？」

実際何も無かったし、なんなら楽しかったし。
大我の優しさで家まで送ってくれたのに、どうして大我がここまで言われなきゃいけないの？

「はる……」

「…少しは危機感持ちなよ。そうやってAは誰にでも優しいから、京本みたいなのが漬け込んでくるよ」

「大我はそんなんじゃないってば！
というかはる、なんでそんなに怒ってるの？」

「怒ってないよ、Aの事が心配だから言ってんじゃん」

「だからって友達貶すの？そんなの余計なお世話だよ」

ヒートアップしていく喧嘩。
気付けば教室に人がちらほらと入ってこようとしていた。

「余計って……私だって、」

「…もういい」

はるが何かを言いかけてたけど
とにかく今は1人になりたくて、私は教室を出た。