純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ17)

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「雨、止まないね」

「ね」

日付を跨ぐ頃、Aもお風呂から上がってのんびりタイム。
俺の家にいる時はいつもあんずがいるから、家に犬がいないこの感じがちょっと違和感だったり。

椅子に座ってスマホをいじりながら、ベッドで横になって同じようにスマホをいじるAを盗み見ると、そのタイミングで大きなあくびをした。

「眠い？」

「んー眠いかも」

「寝よ」

「大我ベッドの方がいいよね？布団持ってくるから寝てていいよ」

そんなに気遣わなくてもいいのに。
薄々そんなこと言われる気はしていたけど。

「馬鹿なの？普通家主がベッドで寝るでしょ」

「いや、なんか大我を床で寝かすのは申し訳ない……慎ちゃんならまだしも。」

「確かに慎太郎はどこでも寝られそうだけど(笑)
いいから、てか布団運ぶの手伝う」

「んー、分かった。こっち」

Aにのベッドの下に布団を敷く。
同じ布団ではないとはいえ実質隣同士。

Aとこの距離で寝るのか、俺。

「じゃあ電気消すよ」

「うん、おやすみ」

眠りにつこうとすると、そういば樹に明日は一緒に行けない事言わないといけないことを思い出し、スマホを再び開く。

″ じゅりー ″

″ 明日一緒に行けない ″

流れでここまできてしまったけど、何度考えたら付き合ってもないのにこの展開有り得ないよな。

こんなこと周りの奴らには口が裂けても言えない。

樹たちなんて、俺がAの事を好きだと思い込んでるし、いじり倒される未来が目に見えてる。

色々考えているうちに気付けばAの寝息が聞こえてきた。

寝るの早。

寝顔見るくらいならセーフ…？
罪悪感を感じつつもベッドの下から覗き込むと、残念ながら向こう側を向いていた。

「…ふぅ」

改めてこの幸せな状況を実感して、目が冴えて眠れない。