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ダディアンside
“私も”
ティラちゃんの過去は、見るつもりはなかった
ただの興味だった
いけないことだっていうのは、わかってた
でも、時折見せる辛そうな笑顔と言葉になぜだろうかと疑問を持った
少しだけ、少しだけ覗いた
ボクの能力は、対象者の“過去”を見ること
自然豊かな島に住み、男の子たちと遊んでいるティラちゃんは、いつも笑っていた
裏もない、ただただ夢を見て明るい女の子
親からの愛、友からの信頼、すべてを持っていた彼女にボクは羨ましいと思った
女の子が苦手なボクが、唯一大丈夫だった女の子
でも、ある風景を見た時に一気に真っ暗になった
まるで、その先に鍵をかけて分厚い壁で塞いで誰にも壊さないように封じ込められた“過去”
そして、鉄格子の中、氷でできたオリの中に小さな影が見えた
いつも泣いていて、一人ぼっちの小さな女の子
ボクが声をかけようとすると、どんどん氷のオリが広がってって声をかけようとしても届かなくなる
ボクが必死に手を伸ばして見せても、彼女は最後にこう言ってしまう
“海賊なんて大っ嫌い!!!”
憎しみと怒り、恨みがこもったその声で
その時の顔はひどく歪んでいて
笑っている彼女とは全く違っていて、恐怖を感じた
ねェ、ティラちゃん
ボクはね
サボくんやみんなと笑うティラちゃんの笑顔が大好きなんだ
いつも優しくて、ボクが病気になった時に助けてくれたのはティラちゃんだった
ボクを治してくれたように、ボクはキミの心を治したい
過去は変えられない
でも、過去を知って前に進むことはできる
「ティラちゃん、ボクはキミの優しい笑顔が見たい」
時折見せるというそんな笑顔
エースくんから聞いたことがある
ルフィくんやサボくんたちと笑っている時、キミはすごく眩しいぐらいに笑っていたね
でも今は
すごく、無理をしているよね？
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年1月5日 23時
