君と一緒に海へ3 (ページ30)

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大丈夫

大丈夫じゃないよね

大丈夫だもん

強がってるだけ

強がってなんかない

嘘つき

嘘なんかついてない

泣いてる

泣いてない

笑えてない

笑えてる

じゃあどうして

キミはそんなに辛そうな顔をするんだい？

『……』

「ティラ、何してるんだよ。ルフィがリンゴ食い始めてるぞ？」

町から盗んできたと言うリンゴを食べているエースくんとルフィ

窓の外を見る私に声をかけてくれるサボくんに、『うん』と答えながら、夜空に浮かぶ月を見続ける

「月か？」

『うん』

「綺麗だよなァ…。いつ見てても見飽きたりしねェのか？」

『私の故郷ではね、月を見ながらお願い事したりしてたの』

「願い事？」

『うん。自分たちの夢を語ったり、1年の中でやることを宣言したり…』

「ヘェ…。今でもしてるのか？」

『毎晩してるよ…。月が見えなくても、いつも』

「い、いつも？」

『うん。毎晩、飽きることなくいつも思ってる
この世から、海賊がいなくなればいいのにって!!』

笑ってそう言い残し、私は部屋を後にする

サボside

笑顔で言ったティラに、おれはすぐには反応できなかった

そうだ

ティラは海賊が大嫌いだった

海賊に何をされたのか、全く何も話してくれるわけもなく

海賊にさらわれた時から、ティラは頑なに海賊の話をしなくもなった

それなのに、ルフィが海賊になるということに反対もせず応援をする

どういうことなのかと疑問に持ちながらも、おれは気にしていなかった

でも、毎晩願っているという意味が違う気がする

もっと他に、何かある

「ティラ、なんかあったのか？」

ティラが大好きなルフィは、困ったような悲しそうな顔になりながらエースに聞くと、「気にすることはない」とエースが言う

エースも何か思い当たるものがあるのだろう

追いかけるべきなのだろうか

でも、今は何を聞いてもはぐらかされるはず

なァ、ティラ

おれたちには何も言えないのか？

おれたちは、お前の力になりたいのに