20話 戻らない ページ31
少しだけ昔話をしよう
これは、私がみんなと出会う前のお話
それは1年ほど前になる
私には大切な親友がいた
1人は勝利と救いを求め続ける男の子で
もう1人は救いと勝つこと、守ることを大切にする男の子
2人はいつも私の前を走っていて、そんな2人に追いかけるのが私のルーティンだった
2人は私と同じ歳で、同じ夢を見ていた
見た目も性格もバラバラな私たちが、唯一繋がっている夢
いつか3人でと約束していた
でも、幸せは続くことはなかった
私の幸せも、夢も家族も親友もすべて海賊に奪われたから
すべての海賊を、助けにこなかった海軍も、私は世界を全て憎んだ
そして、そんな海賊に憧れる3人に出会った
優しくて強いエースくん
勉強でもなんでも頑張るサボくん
真っ直ぐで純粋、夢を叶えようと言うルフィ
私にとっては、憎むべき存在
でも、3人は私にとって大切な友達で家族だった
一度失った大切なものがまた私の前に現れた
失われたものは戻ってこない
でも、手に入れることはできる
私は海賊が嫌い
夢を見ることももうない
残酷なこの世界を私は壊す
憎むべき存在がいる限り、私は立ち向かい続ける
『海賊を倒す…。私ができる、唯一のこと…』
絶対に許さない
大好きな親友を奪った海賊を
ー数日後ー
いつものように手伝いに追われていると、ガープさんがまた来てくれた
「ルフィとエースは?」
『街に行ってます。帰ってくるのは、夕方ごろですけど』
「ぶわっはっはっはっ!!! そォか、もう仲良くなったのか!! ルフィは相変わらずか?」
『えぇ…。毎日元気に遊んでますよ』
洗濯物を干しながらガープさんの話し相手になる
「ティラ」
『はい?』
「聞きにくいことを聞くが、お前さん…。ナヒィカユア島出身か?」
『…………』
静かに、洗濯物を干していく
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年1月5日 23時