19話 “大丈夫” ページ26
昔々、あるところに
それはそれは綺麗な女の子がいました
女の子は出会った少年たちと夢を見ていました
“オレはいつか、誰にも負けない強い奴になって…!!!
“…………”になる!!!”
キラキラとした瞳でそんな風に言う
“ボ、ボクも!!!”
同じようにキラキラとした瞳で夢を見る
“じゃあ、約束だ!!”
“オレたちはいつか、この島を飛び出して!!!”
“自由になろう!!!”
青空の下、青い海の前、夢を見る
キミは何を見る?
ガバッ!!!
『はァ……はァ…ッ』
ぐっしょりとするパジャマや額
それが汗だというのにすぐに気がついた
「ティラ…?」
『(ハッ!!』
「どうしたんだァ?」
珍しく目が覚めたルフィは、心配そうに覗き込んでくる
『なんでもないよ…。ちょっと怖い夢を見ただけだから』
「そォかァ?」
『うん。だから、
大丈夫、私は
まだ、強くいられる
ー翌日ー
「ティラ、昨日大丈夫だったのか?」
『え』
朝ご飯の支度をしていれば、あの時寝ぼけていたはずのルフィが覚えていた
「何がだ?」
「昨日な、夜中にティラが飛び起きてたんだぞ!!」
「飛び起きたァ?」
「なんかあったのか?」
『なっ、なんでもないよ!! ただ、ちょっと怖い夢を見ただけだよ』
しゃもじを持ちながら、そう返すとルフィは「でもよォ」と眉を寄せた
「ティラ、怖いっていうより苦しそうだったぞ」
『え…』
「苦しそうって、それはお前が寝ぼけてたからそう見えただけだろ?」
「ウソじゃねェよ」
「ティラ、そうなのか?」
何か言わなきゃ、何か
「ティラ?」
「ルフィが言ったこと、本当な…」
「お前ら、手伝わないんなら邪魔しに来るんじゃないよ!!!」
3人を放り出したダダンさんは、「ったく」と呆れた息を吐いた
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年1月5日 23時