君と一緒に海へ3 (ページ27)

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「ティラ、できた…。って、なんで泣いてるんだい」

『え…？』

頬を拭ってみればダダンさんが言うように、涙が流れていた

『あ、玉ねぎ染みて…』

「そうかい…」

『私、ご飯運んできますね!!』

慌ててご飯をお盆に乗せて運びにいく

「玉ねぎなんて、切ってないじゃないかい」

．

．

．

「じゃあ、海賊貯金集めてくるから、ティラは待っててくれよ」

『うん』

今日は手伝いも早くに終わり、3人の後を追いかけて今は海賊貯金の見張りというか、留守番というか

とにかく、街には行かない

「ルフィは待っとくか？」

「行く!!!」

走って行ってしまう3人を見送り、少し森の中を歩いた

私だって強くなりたい

3人のように

海賊にさらわれた時も、ルフィを助けようと立ち向かった時も

いつも私は、サボくんとエースくんに助けられた

「ティラちゃん！」

『あ、タンポポくん』

「3人は？」

『用事』

「そっかァ…」

切り株に座ると、タンポポくんはオレンジを半分にして私にくれた

「このオレンジ、すっごく美味しいから」

『ありがとう!!』

かじってみると、とても美味しくてパクパクと食べてしまう

「ティラちゃんってさ～」

『？』

「“ナヒィカユア島”の子でしょ」

『(ﾄﾞｸﾝ』

かじっていたオレンジが、手からこぼれ落ちた

『どう、して？』

「ボクは、ミエミエの実の能力者なんだ」

『ミエミエ…悪魔の実の？』

「うん。対象の人間の今まで見てきた過去を見ることができるんだ」

『過去…』

ドクドクと心臓が動く

「ティラちゃん、ナヒィカユア島で何があったの？
ボク、ナヒィカユア島で笑顔なキミだけしか見てない…。
どうして、あんなに自然豊かで素敵な島から飛び出したの？」

眉を下げて不思議そうに聞くタンポポくんに、『見たらいいよ』と告げる

「ボクは他人の楽しそうな過去は見る
でもね、辛い過去は誰にも知られたくない過去だっていうのはわかる
だからキミの口から聞きたいんだ。何があったのか、そしてどうして強がるのか」