君と一緒に海へ3 (ページ19)

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目眩と頭痛…あの無法地帯ならばよくある話だ

“いいか？空気の悪い場所での病気は、風邪が重くなった肺炎とかもある
咳があるなら、確実だと思った方がいいぞ”

咳がないし、肺炎の可能性はなし…

『重めの風邪か…。だとしたら、この薬とこれとこれを飲んで休んでおけば』

「ティラ、なんでわかるんだ」

『お父さんが医学を少しかじってたの
それに、友達がよく病気になってたからよく見舞いも言ってたの』

「んじゃあ、医者なのか？」

『お医者様じゃないけどね…』

タンポポくんに薬を飲ませ、寝かせてみればゆっくりと息をしている

今までの顔色から少し穏やかになる

「タンポポ、大丈夫なのか？」

『うん。重い風邪と体力が落ちたことが原因かな
多分、このまま寝かせておけば数日で起き上がれるようになるよ』

「そうか…。よかった…」

ホッとしたシスラくんは、「ダディアンは体が弱いんだ」と説明してくれた

「小さい頃からよく病気になっては、寝込んでいたんだ
元気に外で遊びまわれるようになるのに、数年はかかった
ダディアンは体調が良い時はよく外で遊んでたんだけど、
グレイターミナルは空気が悪いからすぐに倒れる…。でも、最近は元気だったから…………」

タンポポくんの髪の毛に触れながらシスラくんは、「本当にありがとう」とまたお礼を言ってきた

『大丈夫。また何かあったら言ってくれたらいいよ
私にできることがあれば、協力するから』

「でもまさか、ティラが医学を知ってるなんて…」

『お父さんが医学を少しかじってたって言ったでしょ？
それに、私も知っておいて損はないからって少し教わったの
まァ、私ができるのは怪我の手当てと風邪とかの小さな病気の対処なだけで、あとは教えてもらってないんだけどね』

「それでも十分だし、立派だよ。今度、風邪の対処の仕方とか教えてもらっていいかな？」

『私で良ければ喜んで』

「ありがとう!!」

お父さんから教わった医学で、誰かが救える

それが今日わかった

「ティラちゃん、また今度お礼をするよ」

『いいよ。タンポポくんに、早く治るといいねって伝えておいて』

「うん。本当にありがとう」