ヒーロー科と結界師3 (ページ4)

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19話封印しようと思うページ4

『3位。優勝できなかったけどね』

「へぇ、3位…。3位ィイ!!?」

メダルを持ってこれでもかというぐらいに驚く良守

『それ、あんたにあげる』

「え」

『優勝できなかったけど、3位もなかなかのもんでしょ？』

「そ、そうだけど、いいのか？もらって」

『あげるわよ。優勝は兄貴にやるつもりだし』

「何!?」

『見返してやんのよ。私の力で勝ち取った優勝メダル、私の力で勝ち取った1番だってね』

「…………」

『じゃ、昼寝するところだったらごめんね』

部屋を出て自分の部屋に戻って着替えを済ませ、布団の上に転がる

(今日の仕事、兄貴来るかな)

来てもいいけど、何言われるか知らないし…来ないで欲しい

「守香ー！良守ー！」

「正守なら知らねェ!!」

『良守…』

夜の仕事になり、良守が時音ちゃんに用件を聞かずにそう答えた

「あんたらさぁ、なんでそんなに正守さん嫌いなわけ？」

「決まってんだろ。あいつがヤな奴だからさ
お前もうあいつと喋んな！ヤな奴菌がうつるぜ？」

(ヤな奴菌…？)

「本っ当ガキねーー。尊敬できるいいお兄さんじゃないの。優しいし、頭いいし、強いし」

「そりゃー…あいつは強いけどさー…」

(あ、いじけに入った)

いじけ出した良守の頭を撫でる

(こいつ、昔から正守さんの話題出すとすぐ不機嫌になって、しまいにはいじけるのよねー…。
兄妹弟ってあたしにはわからない葛藤があるのかしら…？)

「……なんであいつが、正統継承者じゃねーんだろなーー…」

「良守！そういうこと、絶対に正守さんの前で言うんじゃないよ!!」

「それは…わかってる」

『ねえ、2人とも。この烏森の地、どう思う？』

「何よいきなり」

『やっぱり怖いと思う？』

「そうね…。ずっといるのに、最近ますますわからなくなってきたわ…。怖いわよ、ここ」

『そう』

2人で見回りに出て、考えながら歩く

「何考え込んでんのさ」

「なあ、斑尾、金狼。あいつが今どこにいるかわかるか？」

「あいつ？」

「正守だよ」

「さあ…」

「さあってこたねーだろ」

「あの男…臭いがしないんだよ。なんだか周りに薄い膜でも張ってるようで…」

「でもあいつ、きっと近くにいるぜ」

「なんでさ」