ヒーロー科と結界師3 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:116,904 hit

19-2 ページ5

“そんなやり方がいつまでうまくいくのかな…”

『あの口ぶり…どっかで私たちのこと見てたんじゃないかな？』

「どこで？」

「うーん…」

空を仰いで見れば、

『良守、あれ!!』

「ん？…………………」

.

「コラァ！そこで何やってんだ!!」

『ちょ、良守』

「よっ！ほっ！うわたっ!!」

『ほら、よそ見するから』

遥か上にいる兄貴のもとに向かおうと結界を足場にしていると、足を滑らして落ちそうになる良守を、結界で救ける

「お前たちこそ何やってんだ？」

「うるせーーーー!! 待ってろ、すぐにそこまでいくからな!!」

『ちょっと、ホラ危ない！』

「けっこー難しいな、コレ！」

『タイミング掴めば簡単だから』

「お前さ、慣れてないなら無理するな。用があるなら俺がそっちまで行こうか？」

「うっせーー!! 待ってろって言ってんだろ!!」

息が上がりながらも、なんとか兄貴の近くにまで来れた

「別にお前に言われたからじゃねーけどよ、ずっと考えてた…。俺も守香もこのままでいいとは思わないし、最悪の事態なんて考えたくもない」

『だから…全ての元凶のこの烏森の力、私たちが永遠に封印しようと思う』

「なんだって？烏森を永遠に封印する…？
お前たちが？どうやって？」

『それは…これから考えるんだよ』

「これから…俺たちがもっともっと強くなって、この訳わかんねー烏森の力も、くだらねーしがらみも、全部俺たちがねじ伏せる…いつか、必ず」

怒るだろうな、とか思いながら兄貴からの言葉を待つ

「なるほどね…。いいんじゃないか？やってみろよ」

「……え？」

「なんだよその顔」

『だって…絶対、怒られるか馬鹿にされるかどっちかだと思ってたから…』

「まあ、おじいさんなら怒るだろうけどな
俺はそれほど…頭が固いわけじゃないさ

だが、烏森の謎に触れることはこの400年、禁忌とされてきた
下手なことをすれば何が起こるか知れない未知の危険な領域だ。わかってるな？」

『……うん。でもさ、思ってたんだけどそれっておかしくない？
烏森を守れって言うのに烏森について知るなって言うの…』

「別におかしくはないさ」