ヒーロー科と結界師2 (ページ7)

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「なんかあったの？」

『いや、お隣さん家にそういう人が来たから…。なんていうか、そういう話は無神経って言うか…あんまりアイツの前では、して欲しくないって言うか…』

「つまり、そう言った類の話は伏せてほしいと？」

『うん、そんな感じ』

小さい頃にお父さんを亡くした時音ちゃんにとって、自分の知らない父親の話をされても、どう反応して良いのかわかんないしな

ー夜ー

『んじゃ、私はこっち見てくるから』

「おう」

良守とは別行動で歩いて行くと、「守香ちゃん！」と声をかけられた

「時音ちゃんは？私、今日まだ雪村さん家に戻ってなくて…」

『いや、まだ来てないみたいです』

「うーん、じゃ、2人でお茶しない？昨日のお礼に美味しい和菓子見つけてきたの」

『いいですよ。私も話したいことあるし…。あ、ケーキは良守なんで』

昨日と同じように春日さんが敷物を敷いてお茶を出してくれた

「キレイでしょ。食べるのがもったいないくらいねーー」

と、和菓子を見てそう言う春日さん

『あの…時音ちゃんのことなんですけど…
あの子の前で、あの子のお父さんの話するの…やめてくれませんか？』

「え…」

『いや、話自体が悪いわけじゃなくて…
ただあの子、自分の父親のことすごく誇りに思ってて、だから父親のやってたこの仕事にもすごく真面目に取り組んでて…

でも、私から見るとそのせいで少し肩肘張ってる感じもあって…それに…
私も小さかったからよく覚えてないけど、あの子のお父さんはかなりひどい死に方をして、あの子それを目の当たりにしたらしいから…

辛いことも、思い出してしまうと思うんです』

長々と語ったのを思い出すと、私は逃げるようにお茶に手を伸ばす

『お茶とお菓子いただきます』

「あなた…優しいのね…」

あ、れ

ｶﾞﾗﾝｯ

ﾄﾞｻｯ

「こんな甘い子が正統継承者だなんて、世の中って理不尽ねぇ」

「あんた、一体…」

「いいよヨキ、出といで」

ゆらりと現れる大きな影

(鬼…!?)

唸る金狼に襲いかかる何か