ヒーロー科と結界師2 (ページ4)

今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:174,620 hit

9-4 ページ4

『小さい時からなんだ。母さんがそんな風なの
何考えてるのかわかんなかったり、気配なかったり…人よりその、感情がないっていうか…

とにかく、喜怒哀楽が薄い人だった』

「では、連絡は取っていないのかい？」

『たまにだけど、連絡はくるよ。一方的に
こっちが相談したいこととか、聞きたいこととか、全然話せないけど…』

「そういえば、守香ちゃんの家って女の子守香ちゃんだけだもんね」

『まぁ…。何かあればお隣さんに言えばしてくれるんだけど』

まぁ、時音ちゃんのおばあさんがしてくれたことはあんましないけど…

いや、女の子の日が初めて来た時にはすっげェ色々教えてくれたような…

「じゃあ、寂しくないん？」

『…………いや、別に』

「え、お母さんに会われへんのに？」

『いや、うちのはそれが普通っていうか…。寂しいとかは思わないよ
父さんもおじいちゃんもいるし、弟2人もいるし』

「え、1番上なん!?」

『いや、兄貴いるけど』

「お兄さんおるんや…意外や」

『兄貴も、何考えてるのかわかんないけど』

フラッとしてるし、オヤジ臭いし…

「正守さん、まだいないの？」

『うん…。いてもいなくても同じだけど』

「お兄さんのこと、嫌いのかい？」

『…別に、嫌いじゃない……。けど、ヤなんだよな』

「嫌？それって嫌いなんじゃないの？」

『………………。アイツ(時音ちゃん)は、尊敬できる人だっていうけど、兄貴は何考えてるかわかんないし、なんで…』

ギュッと右手を握る

『私より凄いくせに…なんで選ばれなかったんだろうなって…』

「選ばれなかった？」

『うちの家、おかしくってさ…。あんま人に言うもんじゃないから言えないけど…、兄貴は選ばれなくて私と弟は選ばれたんだ…。

選ばれた私と弟は今ではもう慣れたけど…本当なら優秀な兄貴が選ばれるはずだったのに…

わけわかんねぇ…』

母さんも兄貴も、何考えてんのかまるでわかんねぇし、なんも言わねえし

『…わっけわかんねェよ…(ﾎﾞｿｯ』

母さんも兄貴も…

「守香ちゃん」

『？』

「大丈夫？」

『…』

「あの、その…」

『…………。平気だよ、そんなにやわじゃないし』

もー、いい。考えんのやめた