ヒーロー科と結界師2 (ページ2)

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時音ちゃんのお父さんは、烏森を守って亡くなったらしい

私も小さかったし、あまり覚えてないけど

母さんの帰りを待ってたら、母さんの式神が帰ってきて、嬉しくなって駆け寄ったんだ

そしたら、血だらけの白い…雪村の仕事着が真っ赤になってるのが見えて

『お、じさん？』

いつも優しく撫でてくれるはずのあの大きな手が、真っ赤に染まってて

「守香、お家に入ってなさい」

『か、あ…さん』

いつものように歩いていく母さんがいて

雪村家の扉を開けて中におじさんを連れて行く

それがなぜか怖くて足が動かなくて

母さんの式神が消えて、時音ちゃんのおばあさんが出てきて

「すみません…。時雄さん、駆けつけた時にはもう…でも当の妖は私が退治しておきましたから…」

「……」

「本当になんで時雄さん…1人で無理をしたのか…」

「礼など言いません!!」

私を見たおばあさんがドアを閉めた

『か、母さん…。おじさん、大丈夫？』

「…大丈夫よ、守香が気にすることはないから」

私の手を取って家に入る母さんは、こうも言ってた

「アイツらに、隙見せちゃダメだよ」

…それからおじさんは息を引き取った

(人の死が嫌だからとかいう理由でやめれるなら、この仕事はそこまで軽くない)

母さんはあの時、何を思っていたのかわからない

けど、申し訳ないとは思っていたと思う

勘だけど

「あ、守香おかえり」

『ただいま』

父さんが洗濯カゴを持っているところに出くわす

「良守が、冷蔵庫に入れあるってさ」

『うん』

いつも優しくて明るい父さんだけど、母さんのこと心配してるんだよな…

『わっ、美味しそう』

ショートケーキを出してフォークですくって一口食べる

甘さ控えめだからすごく美味しい

(今度、美味しいケーキ奢ってあげなきゃ)

良守のお菓子のお城計画、成功するといいなぁ