現海賊は現在ヒーロー科14 (ページ29)

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『私たちね、今夜にでもここ出ようかと思ってるの』

「え!?」

『いる理由もないし、私も目を覚ましたし、港には多分海軍も構えてる
そろそろ船も危ないからね』

「レンさん…私、どうしたらいい…？」

『んー？』

「みんなと一緒に行きたい。でも、私は」

『………目一杯考えなよ』

「…」

『ミラウ、一つだけ言うよ。“12時間”だけ猶予をあげる
私たちはケミルズ河で船に乗ったら、明日の昼正午ちょうどに、東の港に一度だけ船を寄せるわ
停泊はできないかもしれない
もし、ミラウが私たちと旅を続けたいのなら
その一瞬だけが船に乗るチャンス!!
その時は歓迎する。まァ、ヒーローだけどね
ミラウは一国の王女だからよく考えて』

「…………」

『海賊の私から言わせれば、仲間が増えるのは嬉しい
でも、ミラウの未来を奪いたくない。よく、考えてね』

念を押して風呂から上がる

大丈夫、ミラウならちゃんと選ぶよ

．

ーサニー号ー

「海軍の艦隊もないみたいだし、よかったよなぁ」

「あとは12時になるまで待てば…」

つていうか、なんであのドンちゃん乗ってるんだ

「あんたたち、なんで早く逃げないわけ？」

『仲間を、迎えに行くんだ!!!』

しばらくしてから、ミラウのスピーチが聞こえた

12時を回ったんだ

「来てないわけないだろ!!!」

『待って、海軍だ!!!』

「やべェ!!!」

『船を出すわ!! 面舵いっぱい!!!』

「みんな、諦めるぞ」

ミラウはちゃんと選んだんだ

「みんなァ!!!」

「「!!!!」」

「ミラウ!!!? チコ!!!」

東の港にミラウとチコがいた

「急いで船を!!!」

「お別れを!!! 言いに来たの!!!」

「え」

「私…一緒には行けません!!!
今まで本当にありがとう!!! 冒険はまだしたいけど、私はやっぱりこの国を愛してるから!!!! だから、いけません!!!」

『…そうか！』

「私は」

“印ならバツがいい!!”

“なんで”

“海賊でしょ？”

“いや、ヒーローの卵だって”

“って、バツは本来相手への「死」を意味するんだぞ？”

“いいの、バツがいい。ねェ、ミラウ。かっこいもんね!!”

“うん、私もそれがいい”

“なんでもいいから描けよ。本題はそこじゃねぇんだ”