19話 前半戦 ページ8
「影山は何を考えんだよ!?」
「こんなスパイクを履いていたら試合にならない!!」
佐久間も寺門も、影山への不信感を隠そうとしない
だが風丸は違う
「今にわかるさ……。このスパイクを使う、総帥の本当の意図が……」
そう言った風丸は、前髪で隠れた瞳から見えた赤髪を捉えた
その人物は、赤い瞳をこちらに向けており、なぜか辛そうに憎そうに見つめていた
その視線の理由を知っている風丸は、フイッと顔を逸らした
「こんなスパイクで走ってたら、こっちの方が潰れるぞ!!」
「チッ！文句ばっか言ってねえで、どうするか考えろよ、元キャプテンさんよ！」
佐久間には返す言葉がなかった
そんな佐久間を見て、海風は心配そうに見つめる
1対0と、雷門がリードして試合が再開される
帝国学園のスパイクは、勢いよく風を吐き出していた
「このまま全力を出し続けてたら、体力が削られるだけだ……」
佐久間が呻き声を上げる
「力をセーブしたら、ますます遅くなるだけだろ!!」
そこで佐久間は、軽いジョギング程度の速さで走ってみた
すると、あることに気づく
「速く走ろうとしなければ…、ヨットの帆が風で煽られるように、空気の壁が風を受けて、足が軽くなる！」
「うおっ!?マジで軽いな！」
帝国イレブンは顔を見合わせてゆっくりと走り始めた
「……それでいい」
風丸がフッと笑った
「くっ！走るのが楽だからってこれじゃあプレイどころじゃないぞ!!」
寺門は日和にボールを奪われた
『日和、こっちだ!!』
「えっ、あ、はい!!」
なぜかいつもならまだ動かない海風が、自らパスを出せと指示した
パスを受けた海風は、巧みなボール捌きとフットワークで帝国を抜いていく
だが
『(ﾊｯ！』
海風はボールを足で止めると、後ろを見た
帝国イレブンがこちらに向かって来ているのとは違い、“あること”に気づく
(もしも、このまま“攻め上がれば”…)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こっちん - このお話のシリーズが全て面白かったです！！読んで見てよかったと思いました！！更新を楽しみに待っています！！ (2020年12月11日 21時) (
レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
豪秋(プロフ) - スッゴク面白いです！私も無印派なので、無印キャラとの絡みが凄く嬉しいです！凄く面白い作品なので更新停止は勿体無いです。文才力羨ましい……。これからも更新頑張ってください。応援してます。更新するの待ってます。 (2020年5月22日 20時) (レス) id: abe3eae12b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年9月28日 18時
