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『稲森…』
「どうしたんですか、いきなり木を殴ったり……って、手!!」
『…え？』
明日人に言われて気づいた海風は、ゆっくりと手を開くとツーと血が流れているのに気づいた
「強く握ったから…」
『………………』
「海風さん、手当てしてもらいましょうよ」
『…あぁ』
スマホをポケットに入れ、海風はつくしたちの元へ向かった
「どうしたんですか、その手!?」
『強く握ってしまったみたいで…』
「大変、すぐに手当てしなきゃ」
杏奈が救急箱から消毒を取り出し、テキパキと手当てを行なっていく
「これで大丈夫です。念のため、しばらくは外さないようにしてくださいね」
『あぁ、ありがとう』
軽く握ったり開いたりして、動かせることを確認する
「大丈夫ですか？」
『あぁ…。心配かけてすまなかった』
「大丈夫ならいいんですけど…」
「ホントですよ!!」
『…すまない』
反省の色が見えない海風に、つくしは「海風さん!!」と怒った
「いっつもそうやって軽く謝りますけど、本当に心配してるんですからね!!」
『あ、あぁ…』
つくしに怒られ、反省した海風だった
ーーーーー
ーーー
ー
「帝」の文字をかたどった校章が、灰色の雲を指し貫くように空へ伸びている
天高くそびえるメイン校舎の手前に、鋼色に屋根に覆われたサッカースタジアム
帝国学園に乗り込む対戦チームは、まずこの不気味な光景に負けないように、心を強く持たなければならない
そんな帝国学園を見上げる1人の少女がいた
海風だ
いつものように、黒い帽子に黒いパーカーを身につけ、厳しい表情で見ていた
(帝国学園…)
目を閉じ、1年前のフットボールフロンティア地区予選決勝
海風が所属する雷門中と鬼道が所属していた帝国学園
鬼道と海風のおかげで、フィールドに仕掛けられていた鉄骨に気づき、雷門中はなんとか試合を続けることができた
(もし、一年前のように仕掛けていたとしたら……)
万が一を考え、海風は試合が始まる1時間前にスタジアムに姿を現した
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こっちん - このお話のシリーズが全て面白かったです！！読んで見てよかったと思いました！！更新を楽しみに待っています！！ (2020年12月11日 21時) (
レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
豪秋(プロフ) - スッゴク面白いです！私も無印派なので、無印キャラとの絡みが凄く嬉しいです！凄く面白い作品なので更新停止は勿体無いです。文才力羨ましい……。これからも更新頑張ってください。応援してます。更新するの待ってます。 (2020年5月22日 20時) (レス) id: abe3eae12b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年9月28日 18時
