雷門の女神2 (ページ47)

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「海風亜真音って言うのか」

『…誰？』

「俺は円堂守!!
なぁ、一緒にサッカーやろうぜ！」

『はぁ？』

ある日、これは円堂守という男と出会った時のこと

『なんで私が見ず知らずのお前とサッカーをするんだ』

「だってお前、サッカー好きだろ？」

『…好きだが、それはお前とは』

「俺も、サッカー好きなんだ!!
さっきのシュート、かっこよかったぜ!!」

素直に褒める円堂に、海風は目を丸くさせると頬を赤く染めた

『そっ、それがなんだっていうんだ』

「俺、思うんだ。サッカーやってる奴に、悪い奴はいないってさ!!
お前もサッカー好きならそう思うだろ？」

円堂の問いかけに、海風は無言になる

「だからさ、サッカーやろうぜ!!」

無茶苦茶な理論を並べられ、海風は目を閉じた

『お前となら、最高のサッカーができそうだな』

これが、海風と円堂の出会いだ

『ん…』

重たい瞼がうっすらと開かれ、赤い瞳が小さく揺らぐ

『ここ、は…』

ゆっくりと起き上がり、海風は部屋の中を見回す

『木枯らし荘…』

べッド脇のサイドテーブルの上には、帽子とパーカーが置かれていた

包帯やら絆創膏などの処置を見ると、海風は包帯をとって帽子をかぶりパーカーを着た

部屋を出て階段を降りる

「あ、海風さん！」

『岩戸、服部…』

「大丈夫ですか？」

「倒れていたから心配したでゴス」

『すまない。久々のイナビカリ修練場だったから、疲労が出てしまった
心配をかけてすまなかったな』

「大丈夫ならいいんです！ね、ゴーレム」

「ゴス」

海風は後輩たちの頭を撫でる

『明日もきっと修練場での特訓だ。お前たちもたくさん休んでおけ』

「はい！」

「ゴス」

懐かしい夢を見た海風は、頬を緩ませる

(まさか、またイナビル修練場での特訓をするとは思ってもみなかった…
だが、この特訓で先が見えるなら…)

海風は話をする2人を見つめた