雷門の女神2 (ページ40)

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「海風さん？」

「パーカー着て何してるんです？」

ライセンスカードでロッカーを開けると、帽子を被り海風はロッカーを閉めた

『監督、1時間ほど外に出ます』

「「えぇっ!!?」」

「おや、何をしにですか？」

『頭がこんがらがっていると、どうも考えがまとまらないもので…
気晴らしに少し散歩してきます。混乱したままでは、必要な情報が得れませんからね』

「それなら、ゆっくりしてきてくださいね。
で・す・が！2時間までは待ってあげましょう」

『ありがとうございます』

海風は部室を出ると、小走りで雷門中から出た

しばらく走り、海風は賑わう町の人混みの中に入った

いつもなら静かな場所で整理するのだが、今は甘いものが食べたい気分らしい

『チョコアイス１つください』

「はーい」

小銭を取り出し、アイスを買うとペロリとアイスを食べる

「！」

(影山が帰ってきたことによって、チームの情報も全て非公開となっている
風丸…お前はどう言う考えなんだ…？
影山に付いているとしても、お前なら何か連絡をくれるはずだろう……、どうしたんだ)

悶々と考えていると、ポンッと誰かが肩に手を置いた

ドキンとした海風は、アイスを持っていない手の方で拳を作ると振り返りながら殴ろうとした

『!?』

振り返り拳を向けようとした時、その相手に目を見開く

『き、君は…』

「驚かせてしまってすみません。アイスを食べているあなたが見えたものですから」

『野坂悠馬…』

「お前…野坂さんに何を」

「西蔭」

「しかし、野坂さん」

「彼女を驚かせたのは僕のせいだ」

海風はホッとしたのか、肩の力が抜ける

「アイス」

『え？』

「落としましたよ」

『…あ』

手から落ちたチョコアイスに海風は、『やってしまったな…』と言う

「すみません、代わりのものを」

『あぁ、気にしなくていいよ。後輩に奢ってもらうなんて、先輩として許せないからね』

「でも…」

『君たちも、何か急ぎの用があるんじゃないのか？』

「いえ、特には…」

『…そうか』

海風は野坂と西蔭を見て、息を吐いた