現海賊は現在ヒーロー科 (ページ24)

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『幼い頃からずっとヒーローの特性や“個性”を調べたり、色々と考えていた出久くんは、勝己くんや周りに「なれない」とか「やめろ」とか言われても、それでもなおヒーローを目指したでしょ？

何度も何度も心を折られても何度も何度も立ち上がり、ずっとノートに書き留めた

その努力が、そのノートが証拠だよ』

すでに13冊目というノート

『力がないなら、ないなりに努力できることは沢山ある

それが、出久君にとって最高の「個性」だと私は思う』

みりんの袋片手に言ってたら、なんかかっこよさ半減するけど

「…………。ありがとう!! 僕、頑張るよ!!」

『そうそう。前向きに捉えてよ!!!』

その時、向かいの通りが騒がしかった

『なんだろ』

「わかんないけど、さっき爆発があったんだ」

『え、大ごとだね』

さほど気にもとめず、2人で人だかりの方へ行く

そこには、ドロドロしたものがいてなんか町が大変なことになってた

「あいつ何で!!!?」

『町の被害半端ない』

「ヒーローなんで棒立ちィ？」

「中学生が捕まってんだと」

「……！」

オールマイトが来てるだとか、早く助けてあげないと、とか外野の声がうるさくてなかなか見ることができない

出久くんは口元に手を当ててるし、どうしようかなァ

公共の場での“個性”使用は禁じられてるし…

鉄パイプ持ってないし……まァ、覇気使えばいけるかもしれないけど、掴めないっていうのがなァ

それに、この人だかりだ

向こうに行くには、結構派手な立ち回りになる

持ってるのは、ローブとみりん

何でローブかって？

いつものクセだよね

チラッと見えた

人質の中学生が

は？

『な、んで……』

勝己くんがいた

人質って、勝己くんなわけ!!!?

『出久くん、あの人質……』

隣にいたはずの出久くんがおらず、どこ行ったのか慌てて周りを見渡すと群衆の中を進んでいた

『まさか……!!』

出久くんの考えがわかると、みりんが踏まれないように端の方においてローブを羽織り深くフードを被った

足に力を込め、高く飛び上がる

「馬鹿ヤローーーー!! 止まれ!! 止まれ!!!」