現海賊は現在ヒーロー科 (ページ25)

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出久くんは自分の大きな荷物を投げ飛ばし、敵の懐に入った

「かっちゃん!!」

「何で!! てめェが!!」

「足が勝手に!! 何でって…わかんないけど!!!」

バシャバシャと手でかいている出久くん

「キミが、救けを求める顔してた」

出久くんに向かって、ドロドロした大きな手を向ける敵

ダァンと、地面を蹴り込むと大きく地面が割れ大きな手の前で瓦礫が飛び上がった

『ガキ2人に、何手ェあげてんの』

瓦礫が倒れるのと同時に大きな手を蹴り飛ばす

バチッと蹴り飛ばされた手は、再度ドロドロとしたものに集まる

『面倒なことになったなァ』

こういう系は苦手なんだよなァ

仕方なく、両腕に覇気をまとい殴りつけようとしたとき

ガシッと出久くんと勝己くんの腕が掴まれた

「キミを諭しておいて…己が実践しないなんて!!!

プロはいつだって命懸け!!!!!!」

画風の違うおじさんが、1発拳を放っただけであたりは吹き飛んだ

そして、ポツリと雨が降ってきた

「右手一本で天気が変わっちまった!!!

すげぇぇぇぇぇぇ！これが…オールマイト!!!」

あ、出久くんに現実を見ろって言った人か

その後、散ったドロドロはヒーローらに回収され無事警察に引き取られたみたいだ

出久くんと私はヒーローたちにものすごく怒られたが、私は聞く耳持たず

逆に勝己くんは称賛された

“個性”だけで決まるこの世界も、壊さないとなァと思ったのは秘密

私は怒っているヒーローを無視して、近くにいたオールマイトに声をかけた

『ねェ』

「！」

『出久くんに現実を見ろって言ったの、アンタ？』

「……キミは？」

『名乗るほどの者じゃないしね…。彼があなたに憧れてるから強くは言わないけど…“あの時”、“あの場で”、“1番誰が”凄かったのか…あなたならわかってるよね』

「………………」

そう聞けば、オールマイトは無言になった

わかってるって、肯定していいわけね

『今時いないと思ってくださいよね。ああいった、人がいるって
この場にいるヒーローよりも、誰よりもカッコいいヒーローだと思いますけど』

ローブの下からオールマイトを見た後、群衆の中に紛れた