7話 春高 ページ37
「いや〜、いいね〜」
「どこから見るの?」
「そうだな、まずは…」
春高のパンフレットをいつの間にか持っていた2人に置いていかれる。あとから、バレー部も何人か来るらしい
え、なんでこうなったの?
「あ、藍」
『京治…』
「…どうしたの、このメンツ」
『私が聞きたい』
私に声をかけてくれたのは京治で、近くにいる孤爪と黒尾さんを見つけた京治はギョッとしつつも、すぐに理由を聞いてくれた。理由という理由を話せないのだが
「そうだ、藍。Aコートで鴎台の試合してるけど見に行く?」
『行くっ』
「「?」」
ベンチコートを着ている京治のあとをついていく。Aコートが見渡せる観客席に行くと、そこに目当ての人はいた
ドンッと床を踏み締めるような音とともに飛び上がり、グッとネットの前に現れブロックと真っ向勝負に入るその人は、ブロックアウトで1点をもぎ取った
「あれが、鴎台の星海光来だよ」
逆立った白い髪の毛とギョロリとした瞳。凄まれたらきっと圧倒されるほどのその存在に、私はただ息を飲んで見つめた
「うひゃぁ…当たりたくねぇ〜」
「鴎台…」
「小さな巨人のような存在だと言われてます」
『………』
その人から、目が離せない
「じゃあ、俺は行くんで。藍のこと頼みます」
「はいはーい。頑張んなさいね〜」
梟谷の試合が始まるとのことで戻っていく京治を見送る中、お土産ブースの方に行きたかったので、そちらに移動する
『どれにしよ…』
「いやいや、選ぶの?」
「あれのS!ください!」
『……?』
声を張り上げて言う声にパッと顔を上げると、相手もこちらの視線に気づいたのか、同時に目を見合わせた
私よりも背の高い彼は、鴎台の星海光来だった
「………………」
『………』
なん、だろ…目を逸らすといけない気がする
「……なんか用?」
『え、あ…いや』
じっと見つめられて10秒。口を開いたのは彼だった
『……根笑』
「おぉ!このTシャツ、知ってるのか!」
『私の友達も持ってます』
「そうかそうか!センスいいな、そいつ!」
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紅 - いつも楽しませてもらってます!4話夏なのですが、黒尾が3年と言っている所があります。見間違いであればすみません! (3月14日 23時) (レス) @page30 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - もちだんごさん» ひゃー!すみません!ご指摘ありがとうございます!!また修正します!これからもよろしくお願いします! (3月11日 19時) (レス) id: c458529519 (このIDを非表示/違反報告)
もちだんご(プロフ) - いつも楽しみにしております!5-2話なのですが、本編の一年前であるはずなので夜久さんは3年ではなく2年なのではないかと思います。勘違いであれば申し訳ございません! (3月11日 17時) (レス) id: 993fbeabfe (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 続きが気になる…!楽しみにしてます! (2月29日 23時) (レス) @page13 id: bbca191512 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2月29日 11時) (レス) @page12 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2024年2月28日 9時