6話 猫又監督 ページ34
「藍〜!春高予選、どうだった!? よかった!? よかったよね!?」
『なに確定なこと言ってんの…確かに良かったけど』
春高予選は梟谷、井達山が切符を手にした
烏野は、全国への切符を手にしていなかった
「なにあからさまにテンション下げてんの?」
『うるさい』
プイッとそっぽを向くと「今日、バレー部の練習観に行こうよ」と言ってくる。仕方ないから首を縦に振っておいた
ー体育館ー
『あ…あぁ…』
「藍?どした?」
体育館の入り口付近で固まってしまった私に千代が後ろから覗くように中を見た
パイプ椅子に座っている優しげな笑みを浮かべた男の人に「何知ってんの?」と聞いてくるけど、答えれなかった
『嘘…』
「嘘じゃないよ」
「あ、孤爪」
「猫又監督、今日から復帰なんだって」
ボールを持って入り口付近に歩いて来た孤爪を無視して体育館の中に入る
「え」
「ちょ、藍!?」
コンコンと上履きが音を立てる
パイプ椅子の近くまでくると、私に気づいた猫又監督は「おや、これは…たまげたな」と私を見て驚く
「10年ぶりか…藍」
『…お久しぶりです、猫又監督』
懐かしむような優しい笑顔を向けられ、自然と笑みが溢れた
近くにいた黒尾さんが「え、知り合い?」と目をぱちくりさせる
「どうだ、あれから。バレーはしてるのか?」
『小学校の時だけです。中学からはやってません』
「もったいないな…そうか…」
「藍チャン、バレーしてたの?」
『小学校の時だけです。中学は髪の毛切らないとダメって感じだったのでやめました』
「あ、そう…」
黒尾さんがキョトンとしているところで「懐かしいなぁ…」と私を見て言う
「あれから10年か…」
『おかげさまで、バレーボールが好きになりました。ありがとうございます、猫又監督』
「いや、わしは何もしていない…ただ、バレーボールを楽しいと思ってもらえるように伝えただけだよ」
優しい言い方、優しい笑顔、そしてなによりこの人の人柄が好きだ
「それはそうと、藍。お前さん、マネージャーをしないのか?」
『えっ…あ』
「黒尾から聞いたぞ。わしが戻って来たら、考えてるつもりだったと」
『………』
726人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅 - いつも楽しませてもらってます!4話夏なのですが、黒尾が3年と言っている所があります。見間違いであればすみません! (3月14日 23時) (レス) @page30 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - もちだんごさん» ひゃー!すみません!ご指摘ありがとうございます!!また修正します!これからもよろしくお願いします! (3月11日 19時) (レス) id: c458529519 (このIDを非表示/違反報告)
もちだんご(プロフ) - いつも楽しみにしております!5-2話なのですが、本編の一年前であるはずなので夜久さんは3年ではなく2年なのではないかと思います。勘違いであれば申し訳ございません! (3月11日 17時) (レス) id: 993fbeabfe (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 続きが気になる…!楽しみにしてます! (2月29日 23時) (レス) @page13 id: bbca191512 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2月29日 11時) (レス) @page12 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2024年2月28日 9時