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ムッとする孤爪に『ごめん』と今度は私が謝った
「…倉梨さん」
『?』
「あのさ…その」
『?』
しどろもどろになる孤爪の言葉を遮るように「藍〜!」と教室のドアを開けて中に入ってきた千代
さっきまでいたのに何の用だろうか
「ごめん、次の数学の教科書貸して〜!」
『あ、うん…』
「助かった〜!今度、スタバ奢る!!」
慌てて戻っていく千代を見送り『ごめんね、なんだっけ』と孤爪に向き直ると「ううん、なんでもない」と言い、前を向いた
ーーーーー
ーーー
ー
「あー…ジメジメする〜…髪がうねる」
『梅雨に入りつつあるもんね』
毛先をクルクルと指でいじっている千代に菓子パンをひとかじりしながら言うと「髪といえば…」と、私の前の席の孤爪を見る
「孤爪の髪の毛、まじ綺麗」
「…え?」
突然絡まれた孤爪はビクッと体を揺らした
「ねね、ヘアケアってなにしてる?」
「なにも、特には…」
「それでサラサラだと!? 羨ましい!」
「研磨、寝起きなんてボッサボサなんだぜ」
「黒尾先輩」
「クロ、余計なこと言わなくていいよ」
いつの間にか現れた黒尾さんに、孤爪がムッと返すと「ホントのことでしょうが」と返されている
千代が「まじか、それでもサラサラ…」と髪の毛を凝視している
「シャンプーは!? 何使ってる!?」
「普通のやつ…」
「トリートメント!リンスは!?」
「わかんない…」
「かあーーーーーー!!!」
頭をガシガシとかく千代に『こればっかは髪質の問題だからね』と言う
「藍はうねらないよね、ずるい」
『特にヘアケアしてない』
「羨ましいっ」
「…で、クロは何の用?」
「あぁ、実は」
ガヤガヤとうるさい教室
菓子パンや弁当を食べる生徒で溢れかえる中、私の視線は横を向きながらも黒尾さんと話している孤爪の顔に向けられていた
「どこ見てんの?」
『…別に』
千代に指摘され、そのまま視線を逸らしてアップルジュースを一口飲む
ほとんど絡まない彼との会話
特に意味もない
ただの、席が前後になったクラスメイト
気にする必要はない
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紅 - いつも楽しませてもらってます!4話夏なのですが、黒尾が3年と言っている所があります。見間違いであればすみません! (3月14日 23時) (レス) @page30 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - もちだんごさん» ひゃー!すみません!ご指摘ありがとうございます!!また修正します!これからもよろしくお願いします! (3月11日 19時) (レス) id: c458529519 (このIDを非表示/違反報告)
もちだんご(プロフ) - いつも楽しみにしております!5-2話なのですが、本編の一年前であるはずなので夜久さんは3年ではなく2年なのではないかと思います。勘違いであれば申し訳ございません! (3月11日 17時) (レス) id: 993fbeabfe (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 続きが気になる…!楽しみにしてます! (2月29日 23時) (レス) @page13 id: bbca191512 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2月29日 11時) (レス) @page12 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2024年2月28日 9時