元殺し屋は進撃する (ページ6)

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「…って、なんだここ」

キレていたウソップがすぐに周りを見渡し始める
自然が豊かと言えば豊か。だが、山がない

だが

「なんだ、あれ…？」

ウソップが訝しげに見ている先にあるのは、剃り立つ大きな壁だった
何メートルほどあるのかわからないぐらいに立っているソレは、まるで外の世界との干渉を遮断するような存在だった

「青子、ここって…」

『海王類の腹の中にしては、現実味が過ぎる…』

「腹の中に都市が？人が住む都市なてん」

『…』

目の前にある小さな子どもたちを無視しながら、ウソップとの会話を続けると「おい、なんなんだよ」という低い声が聞こえてくる
ぶすくれたその子どもは、こちらを見てウソップの鼻を指差した

「その鼻、どうなってんの？」

「いや、聞かれてもな。母ちゃんからの遺伝だからな」

「ふーん…」

『ホント、ヤソップに似てるの顔の面影と狙撃のうまさだよね〜』

「いやいや〜、褒めるなよ〜」

デレデレになるウソップに『はいはい』と軽く流すと「オイ」と突っ込まれる。ゆっくりと立ち上がり、見上げてくる少年に手を差し出す

『起こしてくれてありがとう。私は夜神月青子、よろしく』

「…俺はエレン、エレン・イェーガーだ」

『イェーガー…ドイツ語で狩人か…いいねぇ！全然狩れてないけど』

「なんか腹立つな」

サムズアップしてやると、ムッとしたエレンと名乗る少年の後ろから「エレン」と凜とした声が聞こえてきた

「ミカサ」

「…誰、そいつら」

「ここで倒れてたんだよ。青子と…」

「ウソップだ！」

「だ、そうだ」

『怪しいもんじゃないって言ってあげたいけど、怪しさMAXだもんね』

「あぁ、全く同感」

『ウソップが』

「おれがかよ!!?」

目を飛び出させるウソップにケタケタ笑っていると、赤いマフラーを巻き、ピンクのカーディガンを羽織った綺麗な顔をした女の子の目線に合わせてしゃがむ

『エレンに危害を加えるつもりはないよ。助けてくれたからね
私は夜神月青子。みんなからは、青子って呼ばれてる。キミはミカサでいいのかな？』

「…ミカサ・アッカーマン」

『アッカーマン…農民か…逆じゃね？名前の意味』

「おい、失礼だぞ、青子」