80話 サ・ヨ・ナ・ラ ページ23
ラオとの騒動から数日…アッシュはジェシカとどこかに出かけたり、いろいろと忙しそうに仲間たちと打ち合わせをしている
「お前らはジェシカと一緒に「ニューズウィーク」の保護を受けろ。口答えは許さないぞ」
そして今は落ち着いたところでアッシュからの話が始まったのだ
「………別にしないさ。ジェシカと来瞳さんと一緒に行くよ。それが、1番いいと思う」
『まあ、これ以上はさすがにね…』
「…………」
私たちがあっさりと言うことを聞くから、アッシュは本心を探るように顔を覗き込んできた
「そんな疑り深そうに見ることないだろ」
『この間はちょっとやったけど、今度ばかりはね』
「今度ばかりは？ほーーーー、今度ばかりはねーえ？
オネエチャン、大活躍だったもんね」
『はっ倒していいでしょうか、あいつ』
「耐えるんだ、来瞳さん」
ニヤニヤと片眉をあげて笑うアッシュに拳を握った
アッシュの負担になりたくない
足を引っ張るようなことだけはしたくない
それは本心で、自分はどうなってもいいからアッシュだけは守りたくて…
アッシュだけは
『結局、最後はみんなアッシュに頼ることになるんだ』
「代われるものなら、キミと代わりたいよ。もうキミに銃を持たせたくない」
「…俺の手は血で汚れてる。俺が殺した、数え切れないほどの人の血で」
「でも、そうしなきゃキミは殺されてた」
「………親父によく言われたよ。お前はトラブルメーカーだって
必ずお前たちにも災いがふりかかる。どこへ行っても…今だってそうだろ？」
「アッシュ！僕たちが迷惑だと思うっていうのか？そんなことありえないって、キミが誰よりもよくわかってるはずじゃないか！
キミを失いたくないんだ！キミのためならなんでもするよ！」
『うん』
なんだってできる、キミのためなら
「一緒に日本へ行こう、アッシュ。日本なら銃を持たずに暮らせる
キミは生まれ変わってきっと自由になれる！もう戦わせたくないんだ……これ以上、キミを危険な目に遭わせたくない」
「………ありがとう。俺もお前たちのようになりたかった
もうちょっとマシな生き方ができたらと、ずっと思っていた」
『できるよ』
「うん！今からだって遅くない!! キミならなんだってできる！」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年4月17日 8時
