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「悪いけど戻るわ。止めないでね」
『え、ちょっ…ジェシカ!?』
「悔しいけどまだ愛してんの!」
背中を向けて走り出すジェシカに『ちょっ、待って!!』と私はジェシカの背中を追いかけた
「来瞳!しょうがねぇな…ったく、でもこれでひと暴れできらあ!」
『奥村さんはそこにいてください!クアマン、ヒェーロン、お願いね!』
「え、来瞳!」
地下水路を出てアッシュたちと別れたあの廃墟の広場まで戻ってきた私とジェシカとシンは、武装した男たちに捕らわれたみんなを見た
『アッシュ…』
無抵抗のアッシュが屈強な男たちに囲まれている
近づきたくない…
「シン」
『ケイン』
「えらいことになったな」
アレックスとショーター、ケインと合流してアッシュたちの様子を伺うと、トラックにアッシュ以外のみんなが乗せられ、どこかへと走っていく
「トラックは俺が追跡する!」
「残りは6人か…」
「よし、やるか」
「おう」
アッシュが男たちに連れ込まれた建物の向かい側の物陰に身を寄せた私たちがそーっと確認した
「外に見張りが2人、中は4人か」
『なんとかできそうなことはできそうだけど…』
「なんとかアッシュと連絡を取って、外と内からアクションを起こされば…」
「そううまくいくわけ…」
ショーターがそう言った瞬間、突然の銃声が響き渡ってきた
『今だ、シン!!』
「うそぉん!?」
シンと一緒にマシンガンをぶっ放しながら物陰から飛び出し、闇雲に撃ちまくった
「おい、来瞳!下がって」
『シン、援護して!』
「おい、来瞳!!」
マシンガンを放り投げてそのまま走っていく
男たちは突然のことに頭が追いついておらず、飛び込んできた私に銃口を向けるが、それを気にすることなくそのまま懐に入って拳を叩き込む
「つ、強え…」
「俺、時々あいつのあのスーパーマンみたいなの信じらんねえんだよな」
「来瞳は何者なんだ」
『早く行くよ!』
「「お、おう!」」
扉を蹴破って中へと入り、アッシュを探すとボロボロのアッシュがそこにいた
『アッシュ!』
「!」
『無事だった、よかった!』
「…バカ!なんで戻ってきた!? 早くここから出るんだ!」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2023年4月17日 8時