29話 手紙 ページ8
ー6月ー
雨が多くなってきたこの季節は、湿気のおかげで女の子の悩みは多くなる
男の子の悩みといえば、思い切りスポーツができないことぐらいだろう
青色の傘を閉じて傘立てにおいて靴を履き替える。スノコの上はびしょ濡れとまではいかないが、みんなが使うおかげで濡れてはいた
「大岡、おはよう」
『おはよう、豪炎寺くん』
「すまないな、休みの日に夕香と」
『ええよ。明日やっけ。なんかお菓子持って行こうか？』
「気にするな」
上靴に履き替えた豪炎寺くんと一緒に教室に向かって中に入ると、「あ、豪炎寺だ〜」と男子生徒が冷やかしの声を上げ始めた
「？」
「聞いたぜ〜？昨日よぉ〜」
「ん？」
『鬼道くん、おはよう』
「あぁ、おはよう」
『なんかあったの？』
「あぁ…ただのひがみだ」
『ふぅん…』
「朝から豪炎寺くんが他校の女子と昨日帰ってたことが話題になってるのよ」
『へぇ〜…みんな暇なんだね』
「大岡に言われると全員が傷つくからやめておけ」
嫌味として言ってやったら、鬼道くんにやめておけと言われる
なんでもいいが
「はぁ…」
「朝からお疲れだな」
「あぁ…」
『他校生の女の子と帰るってことは、木戸川の子？』
「いやまあ、近しいけど」
『豪炎寺くん、他校にまでモテモテとは…』
「あら、あなたも他校から人気なのよ？」
『え、うっそで〜』
「あなた宛ての手紙、あとで受け取ってちょうだいね」
『え、マジ？』
頬杖をついてまさかと笑っていたら割とガチらしい
え、なんで？なんもしてないはずやねんけど…えぇ、どっからそうなってるんや…
「どうやら、ライバルがいるのはお互いのようだな。豪炎寺」
「…鬼道、お前」
「言っておくが、バレバレだぞ…本人は興味なさそうだが」
「そうね…。あなた、サッカーと同じでわかりやすいもの」
「……」
「まだ気になってるという段階だろうがな」
『え、手紙の量どれくらい？』
「ダンボール1箱分ぐらいね」
『シュレッダーかけよかな』
持って帰るのこの雨でやってられるか。いらんわ
「理事長室にあるから、後で仕分けしているものだけ持って帰ってちょうだいね」
『…はーい』
「俺も手伝うよ。1人じゃなかなか終わらないだろ」
『お願いします』
誰や、大量に送ってきおったん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年3月1日 11時
