28話 勉強 ページ6
『あ"〜〜〜〜』
「うだるなよ…どうしたんだ？」
『あ"がん"…わからない』
「珍しいな…大岡がわからないって。どれだ？……………」
「風丸？」
「き、鬼道…パス」
「？」
教科書とノートを開いてサッカー部の勉強会に強制的に参加させられたウチは、椅子の背もたれにもたれながら問題から逃れるように顔を背けた
「おい、大岡…誰が高校問題をやれと言った」
『黒陽の入試過去問…』
「黒陽ってやっぱり、レベル高いんだな」
「高校は黒陽にしたのか？」
『いや、一応視野に入れとこうって段階』
体を起こすと、鬼道くんがその問題に睨めっこになり風丸くんがぐぬぬぬと口をもごもごとさせながら同じように睨めっこしとる
「大岡は頭いいなあ〜」
『まあ、入学当時からも勉強は必要だって言われ続けてたし…』
「全然わからん…なんだこの問題」
「数式がまずまだ習っていないからな…」
「大岡、わかるか？」
『わかんない！』
思い切り胸を張って言ってノートと教科書を閉じる
「おい、勉強はどうするんだ」
『ちょっと休憩』
「あ、俺も！」
「お前は大岡よりも進みが遅いだろ」
「えぇ〜〜…」
机にぽてん、と顔を置いた円堂くんに鬼道くんは集中力が切れたことを理解して「10分休憩だ」と言う
「よし！」
「言っておくが、サッカーするための10分じゃないぞ」
「あぁ〜…」
「豪炎寺」
「ん？」
「なんか呼んでる」
数人の女子がドアの向こうから豪炎寺くんを見とって、もじもじとしてる
なんか態度でわかる。あれ告白やん
「あぁ」
「よ、モテ男！」
「持ち上げるな、半田」
「いってら〜」
楽しそうに見送ってく半田くんのその態度や行ってしまった豪炎寺くんの背中を見て面白くないなと頬杖をつきながら薄目で見つめた
「どうした、大岡」
『べえ〜つにぃ〜？』
「なんで不機嫌なんだ？」
『不機嫌じゃないし？円堂くん、やるよ』
「えぇ〜っ!? まだ時間あるじゃんか！」
『やるもんはやるの』
「大岡の鬼〜!!」
面白くない
面白くないもんは面白くない
閉じた教科書とノートを再び開けて大嫌いな高校の問題と対面してイライラしながら問題を解いた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年3月1日 11時
