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『それで、豪炎寺くん。ウチ、結構頑張って言うたんですけど』
「もちろん、OKに決まってるだろ！」
『わっ』
肩を抱き寄せてきた豪炎寺くんに、ウチは『ちょ、苦しい…』と肩を叩いてみたけど、全然応えてくれへん
フランクフルトと焼きそば出てまう…ただでさえ苦しいのに…
「ホントに、いいのか？」
『うん。いいから、伝えたんやで』
「夢みたいだ」
『夢にする？』
「それは、困るな…今すごく嬉しいんだ」
今までに聞いたことないぐらい甘い声に『うおおおっ』と叫びそうになった
『ご、豪炎寺くん、そろそろみんなのとこ行かな』
「もう少しだけ」
『ちょあっ、豪炎寺くんっ』
全然離してくれる気がしない
少ししてから気が済んだのか豪炎寺くんは「行くか」と立ち上がった
何もなかったように…
けど
「大岡」
『！』
「行こう」
差し出された手だけでわかる
友達から恋人へと変わったことぐらい
友達に手を差し伸べることはせーへんから
『うん』
中学3年生の最後の夏、彼氏ができました
「あ、豪炎寺！大岡！どこ行ってたんだ？」
『焼きそばとフランクフルト食べてた！』
「え、いいな」
『円堂くん、誰よりも楽しんでるね』
「ん？そうか？」
頭にはお面、手には大量の食べ物
失礼やけど、ここの誰よりも楽しんでる格好になってますよ、キミ
「なあ、なんで2人とも手繋いでるんだ？」
「あぁ、大岡が迷子になりそうだったからな」
(息をするようにしれっと)
豪炎寺くんの見え透いた嘘に円堂くんは「そっかー」と騙され、勘の鋭いであろう鬼道くんと雷門さんは「へぇ」とこっちを見てる
見るな、そんな目で見ないでくれ
「アモーレ、りんご飴食べる？とっても美味しいんだ、コレ」
『りんご飴ぐらい作れるのに…』
「ここで食べるから美味しいんだろう？」
楽しそうに笑ってカリッとりんご飴を食べるフィディオに『くれるんやないんかい』と突っ込んだのは、仕方ないと思っている
「それで、うまくいったっぽいね」
『え？』
「あぁ」
『ん？』
「アモーレ、お幸せにね。あ、もうアモーレなんて呼べないな〜」
『ん？まさか、フィディオ…』
「ん〜？」
『知ってて…』
「なんのこと？」
『ぶっとばーす!!』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年3月1日 11時
