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『豪炎寺くん、焼きそば食べる？』
「いや、いいよ」
『すいません、焼きそばひとつ！』
「はいはい」
鉄板で野菜と麺が炒められてからソースで絡めてるのを見て、よだれが垂れそうになるのをなんとか耐えてゴクリと飲み込む
200円払って焼きそばを受け取る
『どこで食べよっか』
「あそこが空いてるし、あそこでいいか？」
『うん』
ちょうどいい感じの椅子みたいなところに座って食べることにした
屋台から少し離れてるから落ち着いて食べれる
「大岡」
『んー？』
「はい」
『…ん？』
紙コップに入ったフランクフルトをひとつ差し出してきた豪炎寺くんに『え？』と戸惑いながら受け取ると、「やるよ」と言われた
『え、なんで？』
「なんとなく？」
『えー…待ってや、ウチ返せるもんなんもあれへんやん』
「気にするな」
『いやや、気にする。ちょっと待って』
「？」
紙コップのフランクフルトを置いて、まだ手のつけてない焼きそばを取り出して割り箸を割って一口分を箸ですくって『はい！』と豪炎寺くんの前に出す
『フランクフルトのお返し！』
「え？」
キョトンとする豪炎寺くんにズイと差し出すけど、はたと気づく
(これ、アーンってやつやん)
やって気づく、やらかした盛大に
ぶわって赤くなった顔を誤魔化すように下を向いて『嫌なら、いいです…』とスッと引こうとしたら手首を掴まれてそのまま引き寄せられた
『ふぇ…』
「ん…うまいな」
焼きそばを食べた豪炎寺くんがもぐもぐと食べながらそう言い、ウチは『そ、れはよかった、デス』と焼きそばを自分の膝の上に置いた
(あれちょっと待って、お箸これしかあれへん)
豪炎寺くん今使うたよな？
で、箸はこれしかあれへん
あれ、これ
「お箸」
『はいぃっ!!』
「間接キスになっちゃったな」
『ひぇ…』
優しく、イタズラが成功したという微笑みをウチに向ける豪炎寺くんに、そこで理解する
『か、からかったな〜!?』
「ははははっ」
『ひどい！もーーーっ！』
「嫌なら箸を変えてもいいぞ？」
『意識したみたいになるやん！』
「使ったら間接キスだけどな」
『それも意識したみたいになるやん！もー！豪炎寺くんのイジワル!!』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年3月1日 11時
