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知らんうちに金魚をすくいまくる豪炎寺くんに負けじと、ウチも金魚をすくいまくる
「おぉ〜！お嬢ちゃん、うまいじゃねぇか」
『おおきに！』
お礼を言うた矢先に、ぽちゃんと金魚が跳ねてポイの紙を大きく破いた
『え"っ』
「よっ…あ」
ウチが破れたあと、豪炎寺くんが1匹すくったあとに豪炎寺くんのポイも破れた
『…豪炎寺くん、何匹やった？』
「35匹。大岡は？」
『ぐぬっ…32匹…』
「すごいじゃないか」
『負けて褒められても嬉しくあれへん…！』
ウチより3匹多くすくいとった豪炎寺くんに、『次は負けへんからな』と、すくった金魚を水槽の中に逃がした
「お嬢ちゃん、いいのかい？すくった中から3匹はあげるのに」
『ええよ。ウチより小さい子らにあげてください』
「そうか？」
入れもんと破れたポイをおじさんに渡してウチは立ち上がり、豪炎寺くんも同じように金魚を逃がして立ち上がった
「円堂たち、どこに行ったんだ？」
『塔子さんらもおらへん…』
「適当に回ってみるか…」
『そうやね。円堂くん、そこらへんにおりそう』
「そこらへんって…どこにでもいそうな感じは確かにするが」
クスクス笑ってる豪炎寺くんに『やろー？』と笑いながら歩く
楽しそうにみんながお祭りのゲームをしてるのを見てて、こっちも楽しい
「大岡、何か食べるか？」
『んー…豪炎寺くん、なんか食べる？』
「そうだな…フランクフルトとか？」
『あ、それなら焼きそば食べよ』
「あぁ。じゃあ、まずは焼きそば買いに行くか」
『フランクフルトそこやし、そっち先でええやん』
「え、でも」
『焼きそばなんかあとあと！フランクフルト先！』
すぐそこにあるフランクフルトの屋台に向かい、『おじさん！フランクフルトください！』と言うと「はいよ」と豪快に笑いながら答えてくれる
「何本？」
『豪炎寺くん、何本いるん？』
「2本」
『2本ください！』
「はいよ。200円ね」
「はい」
「まいど〜。はいよ、あちいからな」
「ありがとうございます」
「おう」
紙コップの中に入った熱々のフランクフルトを持って「焼きそば買いに行こう」と言う豪炎寺くんに、ウチは頷いて焼きそばの屋台へ向かった
「リカ、なんで離れたんだよ」
「あの2人の雰囲気見てわからんか？ああいうのは、2人にするんがええねんで」
「えー…」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年3月1日 11時
