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「アモーレが一之瀬一哉を知ってるなんてね」
『フィディオ、一哉知ってんの？』
「当たり前だろ！サッカーやってる奴なら誰だって知ってるさ！」
『へぇ…』
フィディオの言葉にウチはそんなに一哉がすごいのかと思った
「ダーリンのこと、一哉って呼んでるんか…」
『え？あぁ…そう呼んでくれていいって言ってたから…いっ!?』
顔を上げたリカさんは、鬼のような顔でウチを睨みあげ「もう、頭きたわっ！」と叫ぶ
「勝負や勝負！ダーリンの花嫁になるんはウチや!!」
『は、花嫁…？』
「…はぁ」
「ライバルがどんどん増えてるな、豪炎寺」
そうこうして始まる、ウチとリカさんの戦い
「ダーリンはウチのもんや！」
(いや、賭けてない)
仕方なくサッカーでの対決が始まり、ボールはリカさんからでウチはそれを軽くチャージに入ると、そりゃまあ簡単に抜かされる
「ふん！口ほどにもない」
「リカ！とられてる！」
「あれっ」
ポン、と地面に落としたボールを足で止めてにっこりと微笑む
「なんでや!!」
何回もボールを奪おうとしてくるリカさんから簡単にボールをキープして奪われないようにする
15分程度で息を切らしたリカさんが「なんやねん！」とキレた
「なんやねん、あんた!!」
「すげぇ〜…」
「前とは格段に違うな…」
「当たり前さ。俺と小さい頃からサッカーしてたんだからね！」
「身内贔屓やん、フィディオ」
へへん、と誇らしくしているフィディオに、ウチはチラリと見てからグラウンドでへたりこむリカさんに『もうやめます？』とボールを太ももに乗せてリフティングをする
「やめ、やめるわけないやろっ」
『いや、もうやめといた方がいいと思うけど』
「勝てる！」
『………』
ポーンとボールを蹴ってキャッチする
『一哉が言ってたけど、好きな子のタイプ』
「えっ！」
『つつましやかで、優しくて、お上品で』
「うんうん！」
嬉しそうに自分のことだと思ってるリカさんに、一哉が昔言ってたのをそっくりそのまま言うた
『言葉遣いも丁寧で、料理ができて、気配りできて、ベタベタ触ってこなくて』
「…うん？」
にっこり笑ってサンハイ
『木野さんみたいな人がタイプなんだって』
「………」
「うわぁー…姉ちゃん、鬼」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年3月1日 11時
