30-7 ページ18
「？どうしたの？」
「ううん、なんでもないよ」
(うーん…こらシスコン確定やな)
眼差しというか、手つきというか、アレはシスコンを語る証拠やな
「はい、お姉ちゃん！」
『？これは？』
「お姉ちゃんにどうぞ！」
『ん？』
渡されたのはクレヨンで描かれたウチと豪炎寺くんの顔、それからサッカーボール
ニコニコのウチとかっこよく笑っとる豪炎寺くんの絵
『夕香ちゃん、絵うま…』
「えへへへ〜」
『お姉ちゃんよりうまい…』
「そうなのか？」
『ウチ、美術全然あかんくて…芸術的センスがないって大笑いされたぐらいやもん』
「そこまでか…？」
「夕香、お姉ちゃんにもっと描くね！」
『ありがとう』
嬉しそうにする夕香ちゃんの頬っぺたをむにゅむにゅっと撫でるようにしたら「きゃーっ」と楽しそうにした
「夕香、クレヨン持ってくる〜！」
行ったり来たりして元気な夕香ちゃんに、ウチは『あんな妹、欲しい…』とぼやいたら「やらないからな」とコーヒーを飲みながら言う豪炎寺くんを見る
『夕香ちゃん、すぐに彼氏作りそうやね〜…』
「………」
『どないする？結婚しますって言われたら』
「…………」
『なんで睨むん…』
「活舞が彼女を連れてきたらどうするんだ」
『え？ええんちゃう？』
「…はぁ」
頭を抱えてテーブルに沈み込む豪炎寺くんに『まあ、ちゃんと受け入れたらなね〜』と言うと、またジトリと見られた
なんでそんな風に見るねん。ほんまのことやん
「お姉ちゃん、何描く〜？」
『えー…お姉ちゃん、下手なんだよ〜…お兄ちゃんにも描いてもらお〜』
「うんっ」
『……は？豪炎寺くん、うますぎる…なにこの可愛いクマちゃん…』
「夕香とよく絵を描いてるからな」
『夕香ちゃん、お兄ちゃんって何ができないの？』
「え〜？お兄ちゃん、なんでもできるよ？」
『全てに負けた気がする』
「フッ…」
『あーっ！勝ち誇った顔!! そういうの、よくないと思うっ』
ドヤ〜みたいな顔する豪炎寺くんにクレヨンを持った手で指をさすと「でもっ」と夕香ちゃんがウチの腕にしがみつく
「夕香と内緒話はできない！」
「夕香…」
『あ、恋バナ？』
「そうっ。これからは、理英お姉ちゃんと恋バナする〜！」
「………」
『勝った』
「別に勝負してないだろ…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2023年3月1日 11時
