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「落合、準備オーケー!」
トランシーバーに向かって言う
ー和室ー
「よろしいですか?」
「はい、いつでもどうぞ」
「いつでもいいよ」
和室で育江が琴を弾いている横で、ショーターとシンがトランシーバーで答えた
「明石さん、いける?」
善之助の寝室で待機していた深山は、明石にトランシーバーで尋ねる
《明石も、いけまーす!》
各方面からの準備ができたと言う連絡もあり、深山は再現を始める
「よし、じゃあ功一さんもお願いします。お手伝いさん、やりますよ」
「あ、はい」
「やる気出してよ」
「はあ」
「じゃあ、僕が叫んだら皆さんは事件当時と同じように動いてください
「やめろ!」……って、言ったら動いてくださいね」
各所にいた人間は深山の「やめろ!」の声に同時に動いてしまい、その後ズッコケるというコントのような動きをしてしまった
「いきますよ!「やめろー!!」」
深山は今度こそ本当に叫び、ストップウォッチを押した
「ここでぶつかって、ここでこぼれて…」
良典は洋室のドアに缶をぶつけ、柿ピーをばら撒いた
「お前、フリでいいだろうよ。もったいない」
「だって正確にって言うから」
庭では、ゴルフの練習をしていた隆三は、まずゴルフクラブをしまうと、片方の手袋を取り、それを口にくわえてもう片方をとって走り出した
ストップウォッチは30秒を回ったが、誰も寝室には到着していない
「全員が揃うまではお二人はそのままの体勢で絶対に動かないでくださいね」
「わかりました」
「……あーい」
やる気のない返事のお手伝いに、深山は再びストップウォッチを眺めながら全員の到着を待った
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年12月27日 10時