元殺し屋はヒーローになる29 (ページ41)

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「あれは…僕が気づけなかった……!! SOSだったんだ…！だって、取り繕いもせずに泣いているのは…オール・フォー・ワンの言う通りにできなかったからじゃあ、ないだろう!?
オール・フォー・ワンに心を利用されても、全て明け渡さなかったヒーローを僕たちは知ってる！
心が圧し潰されただけだ!!」

「緑谷少年…！」

「罪を犯したら一生敵だなんてことはないんだ
この手を握ってくれ、青山くん。キミはまだ、ヒーローになれるんだから!!」

せめて、出方を…そう言っていた緑谷の言葉に、爆豪がハッとしていた

『…………私は…お前を憎んだり嫌ったりなんかしないよ…
先に裏切ったのは私だ。お前がいつ裏切ってたかなんてそんなの気にしない…このクラスのみんなが大好きだから…
内通者の話を聞いて、絶対にないって思ってた
だってお前、ヒーローだったじゃん…！仮免試験の時、みんなを助けて一緒に一次受かったじゃん!! アレが全部嘘だったなんて言わせない、言わせてやらない!!』

「青子…」

『泣いてるだけで言い訳をしないお前を誰が嫌うもんか!!
本当の敵は、自分がやったことに対して悪びれもせずに笑ってる！けど今のお前は泣いてるじゃないか!!! 優しいお前の心を、ヒーローを目指したいというお前の心を、オール・フォー・ワンが利用してお前の心を潰しただけだ！』

「っ………」

言わせたりしない

お前が敵だなんて

『罪を犯したら一生敵だなんてこと、私がさせない…させたりなんかしない!!
お前は、ヒーローに、なれるんだよ!!!
たとえオール・フォー・ワンに言われたとしても、私が否定する…お前はヒーローになれる!! 敵なんかじゃあない!!
お前だってなれるんだ！最高のヒーローに!!』

一歩踏み出して近づこうとしたら「待って、夜神月さん」と塚内さんに止められた

「青山の口を塞いでおけ」

『！』

「拘束中だ、手は取れない。事情はどうあれ、オール・フォー・ワンに加担した罪は消えない」

『じゃあ、私だって同じだろ…“個性”因子破壊の実行犯の片棒を担いでた…その罪が消えるわけがない』

「わかっているよ。だけど、状況から安全(セーフ)と推測しているだけで、まだナガンのような仕掛けがないと言い切れない
セントラルの検査結果が出るまで、これ以上彼に喋らせるのは良くない」

『…ふざけんなよ…!!』