元殺し屋はヒーローになる29 (ページ42)

今日:15 hit、昨日:13 hit、合計:25,966 hit

255-3 ページ42

『じゃあ、私はどうなる!? オール・フォー・ワンのところで7年そばにいて、何の検査もなく私は自由の身で、言いたいこと言えてる!!
私も検査するべきなのにしなかった!!』

「今と前とでは状況が違う」

ぐっと下を向いて流れ出てくる涙を拭っていく

『塚内さん…!! オール・フォー・ワンは見つからない、それが…今の見方でしょ…!!』

「あ………ああ…！「だからせめて、出方を誘導できたら…」！」

「そっか…！」

「見方を考えれば…現状ただ1人、青山さんだけが、オール・フォー・ワンを欺くことができるかもしれない」

そう…もしもこれが、バレていなければ

《待て…待て待てガイズ、飛躍しすぎだ
罪は罪…言いたかねぇさ、けどな…お前らが1番の被害者だ
今更、信じられるのか》

『それは過去の話だ…青山の心のうちを掬い取れなかった私たちの責任でもある
だからこそ、今(・)、泣いて絶望している(・・・・・・・・・)クラスメイト(・・・・・・)を(・)、友達として手を取りたい
みんなが、私と緑谷の手を取ってくれたように…
あの時、手を取った私たちのように、手を取ってもらいたい
それが…青山と私たちが、再び対等になれる唯一の方法だから』

青山だって

「…ひでー目には遭ってっからなァ…5発くらいハウザーぶちこんでトントンだな」

『馬鹿野郎、もっと打ち込め』

「ツッコミ辛すぎるからやめろ、2人とも」

「そうだぜ。青山はオール・フォー・ワンに勝てねぇと思ったから従っちまったんだろ
でも今は違ェから「止めよう」って、親御さんに言ってくれたんだろ
緑谷と夜神月を止めに行った時、誰か1人でも“無個性”を責めたかよ!?
涙堪えて隠し事してた奴を、震えて怖がって涙浮かべて立ってた奴を嫌いになったかよ!?
青山!! まだ、一緒に踏ん張れるんだよ俺たち!!」

『誰も責めたりしない…私は許すよ、青山…だってお前、ちゃんと言ったんだろ？
それがどれだけ勇気がいるか…性根が腐ってるなんて言わせない…お前は優しい奴だから』

腐ってるんなら、こうやって泣いていない
腐ってなんかないよ、青山

お前は、誰よりも強いヒーローになれる

「盛り上ってるとこ悪いが…青山一家に捜査協力を頼むとして、嘘は通じないと先ほど聞いてる
キミ達の気持ちはわかるがここは冷静に」