5話 脱走せよ ページ24
青子side
『…………』
樹林帯の向こう側…島船が係留してる
(なるほどね…たとえ王宮から逃げ出しても、空の海に漕ぎ出して逃げることはできないってわけか…
ここから逃げるには…ルフィたちと合流して、サニーで逃げるしか方法がない…)
だけどこんな広い島で、みんなと出会えるのだろうか…
1週間も経ってるのにみんなが迎えに来ないということは、それほどまでに広いのだろう
となると…
『…よし』
ビーチチェアにおいていたリュックを水着のまま背負い、プールサイドを歩く
すると、後ろからトタトタという足音が聞こえて振り返ると、先ほどの鳥だった
さっきからすっかり懐かれてしまった
それを気にせずにプールに入り、静かに平泳ぎでプールの真ん中まで泳ぐと、大きく息を吸って下へと潜った
排水口のネジなどを緩める間も無く、ひとなでして排水口のネジを分解し取り外してその奥へと泳ごうとすると、鳥が私を背中に乗せて泳いでいく
プールの排水溝は、長いパイプを通じて外海と繋がっていた
舐めてみたら海水だったからもしかしたらと思ったらどうやら予想は当たっていたらしい
かなりのスピードで泳ぐことができた鳥の背中にしっかりとしがみつき、そのまま海面を突っ切って外に飛び出した
『ぶはっ!! 死ぬかと思った!?』
肺活量が鍛えられるだろうけれど、二度とやりたくない
メルヴィユの島々をそのまま真っ逆さまに落ちていくと、そのまま火口のようなカルデラ湖があった
『え…マジ？ちょっと、待って!?』
バシャンッとカルデラ湖の中に飛び込んだ
目を開けて辺りを見ると、驚いて口の中にあった空気を全て吐き出した
ロビンに教えてもらったことのある、ギョリーザ、オオウミガッパ、キングウミムカデが取り囲んできた
ブクブクと自分の口から空気が溢れ出てくる
大きな口を開けて飲み込もうとする怪物たちになす術もなく、ゴボッと空気を吐いて死を覚悟した途端、バチバチっと身体を貫く電流が走った
ｺﾞﾎﾞｯ
全身の力が一気になくなっていく
キラキラとした水面が見えて手を伸ばす
“青子、青子しっかりしろ！”
しょ…うと
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年8月10日 12時
