元殺し屋はヒーローから海賊へ【STRONG WORLD】 (ページ25)

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NOside

巨大生物たちがエレキ鳥のおかげでぷかぷかと水面に腹を見せて浮かんでいる
水上に顔を出してクォ〜っ！と鳴いたエレキ鳥だったが、背中に青子がいないことに気づいた

慌てて辺りを見回すと、気絶している青子が湖面に浮かんでいた

「クォ〜〜〜〜!!!? クォクォクォ!!!」

急いで青子をくちばしでくわえて岸に運び、横たえさせるとツンツンと青子の頭を必死につついた
小さく呻く声が聞こえると、嬉しそうにしてさらにツンツンと必死に突き回すと

『痛いわっ!!!』

ゴンッ！とエレキ鳥に容赦なく青子はぶん殴った
叱られたエレキ鳥はそれでも涙を流して勢いよく嬉しそうに抱きつこうとしたが、『やめて』と手を出されて制止され、がっくりとしょげた

『だけど、ありがとう』

ニッコリと微笑み撫でられたエレキ鳥は「クォクォ！」と嬉しそうにバタバタと動く
青子は流していた髪の毛を手でかき上げて『それにしても、ここ…どこ？』と辺りを見回す

長い髪の毛を片方の肩に流してエレキ鳥に乗って上空に登り、カルデラのふちに立った

『うわ…森だ』

熱帯性のジャングルが広がっているのに気づいた青子は、少しめんどくさいという顔で眺めた後、反対側を見ようと首を動かした時、見覚えのある船を見つけた

『サニー号!!』

サウザンドサニー号を見つけた青子は、そのままカルデラの山を駆け降りていく
仲間ではなかったが、大切な船が見つかってよかった。青子は必死に駆け降りていくと、森の片隅で地響きと煙が上がった

『え、なに!?』

咄嗟に立ち止まった青子のその視線の先には、森から出てきた麦わら帽子と金髪の少年が映った

「あっ！サニー号!!」

「ちょっと待て、そんなこと言ってる場合じゃ…!!!」

『ルフィ!? アッシュ!?』

森から出てきたのは麦わらの一味の船長であり、青子の義きょうだいの弟ルフィと、青子と同じ世界から来たアッシュだった

「ん？あ〜〜〜〜!! 青子〜〜〜〜!!!」

「え、青子!? あ!!」

キョロキョロと見たルフィとアッシュが振り返れば、そこには大好きな姉が立っている
ルフィがニカリと笑い、アッシュは涙ぐみながら青子を見つめる

そんな感動の再会を消し飛ばす勢いで現れたものに、青子は青ざめ顔をひくつかせた