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「っかしいなー。この辺のはずなんだけどなー」
「ほんとかよ。道、間違えたんじゃねーの？」
スマホで地図を広げながら頭を抱えているマックスに助手席のドアを開けてアッシュが言うと、「うーん？」とまたも頭を捻らせている
『ふあっ…』
「あーあ、もう車乗んのやだぜ。ケツが石みてえだよ」
「ホント…もう1週間近く乗ってるんだもん」
『セスナの免許持ってたらひとっ飛びだったけどな〜』
「えっ、姉さんセスナって…」
『友達が持ってるんだよ。大学の』
「えぇっ!! すごいや！それってどんな人？」
『あー…身軽な奴？』
「なにそれ…」
聞いてきたくせに一瞬にして興味が薄れた英二にちょっとイラっときた
「腹減ったー。なんか食いもん」
『英二、リュックにカロリーメイトあるからショーターと食べて』
トラックにもたれてスマホを見ながら言うと、チカッと何かが光った
『誰だ！』
「うおっ!?」
じっと暗闇を睨みながらいると現れたのは懐中電灯を持ったホームレスの男だった
拍子抜けで『は？』という間抜けな声を出したが、仕方ない
「そりゃこっちのセリフだわ。なんだあ、お前らは？」
「ちょっと聞きたいんだけど、ロス・アンジェルスへはどう行ったらいいのかな？」
「からかってんのか、あんた。ロスはここじゃねぇか」
「「ここ!!?」」
『あ、ホントだ』
現在位置を確認するとすでにロスに入っていた
アッシュは「そういうことはもっと早く言えよ！」と突っ込んできたが、こっちも今確認したばっかりなんだよと言う意味合いを込めて強めにケツを蹴っておいた
「うわぁ！」
『？』
「姉さん、姉さん！早く！」
見晴らしのいい丘の方は走って行った英二を追いかけると、「ほら！」と眼下に広がる絶景に『へぇ！』と感嘆の声が上がる
「うひょー!! 絶景!!」
「こりゃあすごい…」
「綺麗だなぁ」
『さすが、眠らない国だ』
スマホで写真を撮ろうとすると、「Pi！」とパタパタと目の前に飛んできた鳥に『うがっ！』と声を上げ顔面に直撃してきたおかげで後ろに倒れた
「姉さん!?」
「お、おい大丈夫か？」
『……………ってて…ったく、来てるなら最初から言えよ…チコ』
「Pi」
『ったく…』
手のひらサイズの小さな鳥がパタパタと飛んでいるにもかかわらず、この鳥のご主人はどこ行ったのやら
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
