24話 執行 ページ25
夕食。各自の思いが交差する中、サンドイッチを頬張る
突然、スマホの着信音が響き渡り自分のスマホを確認するも着信はなくその着信音の原因はマックスのスマホだった
「出ないのか？」
「ジェシカだ…」
『慰謝料寄越せって言うんじゃない？』
「うっせーな、クソガキ！」
コーヒーを飲みながら電話に出てご機嫌を取ろうとするマックスの声に自然と口元が緩む。刹那、その口元がすぐに引き締まった
「貴様、誰だ!?」
『！』
緊迫した声に顔を上げる
『マックス、寄越せ』
「あ、おい！」
スマホを掻っ攫い『誰だ』と言うと男の下卑た笑いが聞こえてくる。ジェシカのスマホからということは…
《マックスの女房はいい味だなぁ。別れるなんてもったいねぇ…そら》
《マックス…》
「ジェシカ！」
《あんたの顔なんか見たくもない。でも、マイケルだけは…あの子だけは助けて》
《パパ！パパー！》
「マイケル！そこにいるのか!?」
『………』
子どもの目の前で、母親を襲ったのか？
《2人の命が惜しかったら、アッシュ・リンクスをここへ連れて来な》
「待て！2人に何かしてみろ、脳天に鉛玉ぶち込んでやる!!」
マックスの叫びを最後まで聞かずに電話は切れた
そんなこともよりも、子どもの目の前で母親を襲ったというその男たちに…
『報復が必要だな』
「姉さん…」
「この家に武器は？」
「父の猟銃ぐらいしか」
「出してくれ。弾も忘れるなよ」
武器をとりに走ったユーシスを眺めたあと、スマホを取り出してメールを打つ
作戦開始の文字を
「アッシュ…」
「どうやら簡単にはニューヨークへ帰らせてはくれないみたいだな」
『……………』
ユーシスが銃をアッシュに手渡すと、シリンダーに弾丸を込め始めたアッシュは「お前たちはここにいろ」と銃を腰にしまいながらこちらに言う
「しかし」
「これは俺の専門だ。従ってもらうぜ」
「アッシュ…」
「そんな顔すんなよ。俺に任せとけって」
『…………………』
心配そうにする英二にアッシュが穏やかな笑顔でそう言うと、ショーターと私に耳打ちをする
「お前たちは残ってくれ」
「え!? …なんでだよ？」
「どうも様子がおかしい…俺たちを誘き出すつもりなら、人質を別の場所に移して罠を仕掛けてくるはずだ…」
『同意見』
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年1月2日 9時
