Do you know love？【男主】 (ページ36)

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1話 2年後ページ36

ー2年後ー

ザリッと地面を踏む音がして、俺は昔の根城からほど近い新しい根城に荷物を置いた
何度か視察に来てここが1番いいと選び抜いた根城に新しいマットレスの上にダイブした

ここに帰ってきたことは誰にも知らせていない

もちろん、あの2人にも

2年ぶりのニューヨークは、変わり映えしていた

根城のあたりを観察し、怪しい奴らがいないのを確認してニューヨークの地に足をつけた俺は、変わってしまった街中を歩くことにした

土地勘が薄れているのでそれを新しく覚えるように街を見回っていると、前方から左腕が血まみれになっている子どもがいるのに気づいた

フラついているそいつを抱き止めると「あ、すみません…」と距離を置こうとする彼に『…この怪我は、どうした』と左腕の傷になっていないところを掴むと彼は「あっ」と何かが弾けた顔になった

「救けてください、友達が」

『？』

ハッとした顔になっていた子どもがゆっくりと光を失うように目を閉じていく
膝がガクンと揺れて抱えると、彼は気絶している

『…………病院』

血まみれの子どもを抱えて俺は市立病院へ足を向けた

ー市立病院ー

血まみれの子どもを抱きかかえて現れた俺に看護師たちが仰天していたが、やはり医療従事者だ。的確な手当てをしてくれたおかげで大事には至らなかったそうだ

彼も目が覚めて保護者であるアジア人の男が病室に入っていくのを見た後、俺は何があったのか知りたい一心だったが、とにかく彼にも落ち着く時間が必要だということで廊下で待機していると

「あぁっ!!?」

『！』

「お、お前…!! アンバーハイエナか!?」

『……………………市警の奴』

わなわなと震える指で俺を指差しているのは、チャーリーという警官だった。そう、昔俺がウェストウッド45番街大量虐殺の際に聞き込みをして犯人である俺を呼び止めた警官でもある

なぜ名前を知っているかだと？

アッシュから聞いたことがあった

「お前、なんで…！」

『……子どもを病院に』

「お前が!?」

病室を指差すと彼は目を白黒とさせた
なんだよ、俺が人助けをしちゃいけないというのか？

「チャーリー」

「あ、すみません。警部…」

「…やあ、2年ぶりだね。アレン」

『………ジェンキンズ』