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そして、きてしまった翌日の土曜日
朝の早くから母さんに叩き起こされ、昨日買った服一式を出した
ワンピースに袖を通し、デニムジャケットを着てショルダーバッグを合わせる
うん、無難でいいだろう。これならあの2人も怒らないだろう。うん、うん
長い髪の毛はハーフアップにしておけばまだマシだろう
髪型まで指示はされていない。うん、うん
姿見の鏡でおかしいところがないか確認していると、「友季、朝ご飯食べるぞ…」とまだパジャマで寝ぼけ目の新一が部屋に入ってきた
『新一、顔洗ってきなよ』
「んー…」
新一をひょいっと抱っこしてダイニングにいくと、母さんがテキパキと朝ご飯の準備をしていた
「あら、よく似合ってるじゃない!」
『蘭と園子が選んだからな』
「あの2人なら間違いないわね。アスランくんが来る時間、わかってるの?」
『朝のうちにとは言われたけど…』
時間にしてまだ7時半。朝の休日は早起きしてゆっくりと本を読むことが好きな私に付き合うように、新一もいつも早起きをしている
大抵、金曜日の夜は夜更かししていつも昼前に起きてぶっすーとしていることが多いが
「おはよう」
「おはよう、新ちゃん」
「おはよう、母さん」
すっかり目が覚めた新一は、「今日はなんか予定はあるのか?」と聞いてきた
『えっと、今日は私出かける予定があって…』
「マジか」
『ごめん…』
「…いやいいけど」
『明日は一緒に本読もうね』
「あぁ」
わかりやすくシュンとした新一にすぐに提案すれば、嬉しそうに顔を輝かせて頷いた
椅子に座らせて一緒にご飯を食べ、コーヒーを飲みながら朝の新聞を読み寛いでいれば、ピンポーンとチャイムが鳴る
「アスランくんかしら」
『さあ?』
新聞を折りたたみ、コーヒーを飲み終えてトイレを済ませてショルダーバッグの中に必要なものを入れているかの確認をしていると、「あら!」と母さんの嬉しそうな声が聞こえてきた
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年9月24日 17時