元殺し屋はヒーローになる20 (ページ20)

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『緑谷もつける？』

「いや、僕は…」

『遠慮しなくていいって』

緑谷の髪の毛にも花を飾ると、なんか野原に咲く花みたいな感じになっていた
まあ、似合うのでよしとしよう

「ケッ、待機だかなんだか知らねーが、なんで俺が買い出ししなきゃなんねーンだぁ!?」

「チームで1番下っ端なのは俺らだ。世界選抜チームに加われたのも、エンデヴァー事務所にインターン中だったから…いわばオマケみたいなもんだ」

「うん。でも、チームに加わったからには、全力でテロからみんなを守らないと…」

「あぁ」

『思想団体、ヒューマライズ…』

「クソ妄想に取り憑かれたクソ団体…なにが「個性終末論」だ…。なんの根拠もねえ、眉唾もんの御託を真に受けやがって…」

爆豪かっちゃんが辛辣に言ったその時、一つ先のブロックにある宝石店が爆発した
その煙の中からケースを抱えた2人組が駆け出してくると、「宝石強盗だ！捕まえてくれ!!」という店主の声が聞こえた

『えー…まじで？』

ちょっとうんざりしながらも、持っていた紙袋をその場に放置する。もらった花束を紙袋の上に置いておき、3人が駆け出したのに合わせて私も追いかけた

「くそ！ヒーローだ！」

「いつものところで！」

「ケース、頼むぞ！」

1人は、疾風を身にまとい回転しながら右の方へ、もう1人は自分の髪の毛をちぎるとそれを爆発させて加速しながら路地へと逃げる

『爆豪は爆発の方!!』

「てめーらは右行けッ！」

「わかった！」

疾風の敵を追いかけていくと、近くにいた人々を吹き飛ばしていく

「どけどけっ！どけっつってんだろ!!」

「黒鞭！」

『緑谷!!』

「ここは任せて！轟くんと青子さんは犯人を！」

「任せろ!!」

『わかった！』

緑谷が吹っ飛ばされた人たちを黒鞭でキャッチして被害を防ぐのを見た後、焦凍と一緒に人混みを避けて横の建物の壁を流れるように進んでいく

「青子、いけるか？」

『誰に聞いてんの』

お互いに目を合わせて答えれば、焦凍はフッと笑い前を見据えた

『さぁて、どうやって捕まえてやるか』

ペロリと唇を舐めとり、逃げていく敵を焦凍と共に追いかけていく