元殺し屋はヒーローになる20 (ページ19)

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144話ヒーロー活動ページ19

「うわぁ、賑やかだなぁ」

『緑谷、ちゃんと前見て』

スーパーでの買い出しを終えた後、大きな紙袋を抱えながら国の街並みを見て感嘆の声を上げる緑谷に、指摘すると「あ、うん」と言いながらまた街並みを見ている

やれやれと肩を落としていると、隣を歩いていた焦凍が「オセオンで1番大きな都市だからな」と言った
少し前を歩く爆豪かっちゃんは何も言わずに「ケッ」と吐き捨てるだけ

『でも、緑谷が見入るのも無理ないかもね…』

オセオンに着いてからは慌ただしく任務についた
しかも夜だったし、昼間のようなこの賑わっているのを見ることはできなかった

改めて見れば、確かにいい風景だ
日本とは違った風景を見ていると、「お姉さん！」と足元から小さな声がかけられた

下を見てみると、5歳ぐらいの女の子と男の子が私の前に立って小さなカゴに可愛い花をたくさん入れて持っていた

『…なにかな？』

視線を合わせるようにしゃがむと、「お花どうですか？」と聞いてきた
私は目の前に出された花を見て、『もらいます』と微笑むと、2人はパアァァッと顔を明るくさせた

「お姉さんにぴったりなお花、あげます！」

『ありがとう』

小さなお花をたくさんくれた2人に多めのチップを渡すと、「こんなにいいの!?」と嬉しそうにする
まあ、取られないようにしておかないといけないし…

『このお金は、人に見せびらかしちゃダメだよ？』

「うん！」

「ありがとう!!」

小さな花束となった花と、髪飾りとして付けられた花を撫でると、「そっち持つよ」と緑谷が紙袋を持ってくれた
少し申し訳なかったけど、せっかくもらった花束を潰してしまいそうなので素直に『ありがとう』と答えた

「かわいいな、その花」

『うん。あ、焦凍、こっち向いて』

「？」

花束から一本花を抜き取ると、焦凍の綺麗な髪の毛に飾る
「お」と小さな反応を示した焦凍に『うん、似合ってる』と笑うと「そうか？」と飾られた場所をそっと撫でた

『爆豪かっちゃんも、こっち向いてよ』

「あ？」

『ほら』

アイマスクの横に花を飾ると、思いのほか似合っていた

『なんか、アンバランス…』

「勝手に飾っといてよく言うわ、クソが！」

「かっちゃん…！」

「爆豪、似合ってるぞ」

「黙れ脳内お花畑野郎!!!」