殺し屋のバレー II 【男主】

16話 ネコの時間 ページ43

ー翌日ー






早朝坂道ダッシュ
俺は自転車で漕いでみんなを追いかける









『日向、どこ行ったんだろ…』









先走りすぎてどこか行ってしまった日向を探して自転車を押す
ったく、どこ行ったんだよ…









「おーーーーーーーーーい!!!」

『日向のやつ…どこ行ったんだろ…一旦戻る』

「月宵てめぇ!!!」

『えっ？』









後ろを見れば、すごく懐かしくも顔合わせをしていた人がいた









「やーーーっぱり、月宵クン」

『えっ…クロ』

「久しぶりだねぇ、どうよ。こっちの生活、慣れたか？」

『うん…』

「そっかよかったな！」

『…うん』

「……研磨とは連絡取ってるか？」

『最近、練習時間も長引くからあんまり…』

「あいつ、お前からの連絡待ってたりするぞ？」

『申し訳ない』









俺も連絡したいけど、勉強もあるし…









「あっ、暁〜〜〜〜!!」

『！』

「学校のやつか？」

『うん…じゃ、また練習試合に』

「おう、気いつけろよ〜」









ガシャンッと自転車を押す
チラリと振り返れば、赤いジャージが青い空に映えて見えた









「じゃあ、午前ラストサーブ!!」

「「アス!!」」

『コホッ…』

「大丈夫か？」

『あ、はい…』









飲んでいたドリンクが気管に入って少しむせた









「東峰さん、暁」

「おっ？」

『？』

「あの、あとで午後練始まる前にでも軽くでいいんでトス打ってもらえますか
暁は、サーブとか…教えてくれると嬉しい」

「おう、いいよ」

『うん』









家から持ってきておいた2リットルのペットボトルを持って外に出た
キャップを緩めてビチャビチャと頭にぶっかける









『っふー……』

「暁、びしょ濡れだけど…」

『あ…大丈夫、です…』

「そう？」









ドリンクの替えを作りに行ってた清水さんに声をかけられて、びくりとしながらも答えた









「暁って、暑がり？」

『いや…熱くなりすぎると…頭まわんないんで…たまに』

「へぇ…風邪ひかないようにね」

『はい…』









やっぱり、女の人って苦手だ…
E組のみんなはすぐ慣れたのに、年上ってだけで緊張するよな…









『はあ…』

「？」

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