殺し屋のバレー II 【男主】

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くしゃりと撫でてきた手をパチンとはたき落とすと、スンッと綺麗な笑顔を浮かべてきた









「なぁに生意気な態度とってんのー？月宵ちゃーん」

『いっで!?』









バチンッと額に平手打ちがきた
サーブ強烈な人間の平手打ち、結構痛い









「で、どういう関係なんだよっ」

『えーと…俺の従兄弟の幼馴染』

「月宵は岩ちゃんの従兄弟なんだよね〜」

「岩泉さんの!?」

「で、ブロックとレシーブ誰に教えてもらったの？
俺が教えるって言ったよね？」

『東京の友達に教えてもらった。別にいいでしょ…』

「良くない！青城でバレーすると思ったのにっ」

『俺は烏野に行くって決めたの…』

「このクソガキ…」









ヒクヒクと頬を引き攣らせると、「ま、いいや」と踵を返した









「レシーブは月宵みたいに一朝一夕で上達するモンじゃないからね
キャプテンくんはわかってると思うけどね
大会までもう時間はない。どうするのか楽しみにしてるね
じゃあね〜月宵〜」

『さよなら、“及川先輩”』

「ちょっと!! いつものように「徹兄ちゃん」って呼んでよ!!」

『1回も呼んだことないよ』









さっさと行けよ…






先輩に嫌味なことばっか言って…空気悪くしてくれたんだから









「…き、気にしないでください。あの人、ああやって人引っ掻き回すの好きなだけなんです」

「すみません、うちのキャプテンが」

「矢田ちゃん!?」

「暁くん、及川さんのこと結局なんて呼んでるの？」

『え…普通に徹さんって』

「小さい頃は兄ちゃんって呼んでた？」

『どうだろ…覚えてない…俺、宮城には夏休みとかしか帰ってきてないし』









どうだっけ…徹さんのこと、なんて呼んでたっけ
まあ、いいか。どうでもいいし









「…確かに、インターハイ予選まで時間はない
けど、そろそろ戻ってくる頃なんだ」

「あっ」

「何がですか？」

「烏野の“守護神”」

「しゅ…守護神…!?」

「なんか、すごい人いるみたいだね」

『うん…』









遅くなると教頭に怒られるから早く帰らないといけないという、武田先生の声が聞こえてきた









『じゃ、また』

「うん、またね」

『…矢田ってこっち住みだっけ』

「うん。お爺ちゃんの家」

『そっか。なんかあったら連絡していいから』

「うん」

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