もう1人の正統継承者【男主】 (ページ26)

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「でも…キミたちは少し違うのかな…」

俺たちを見て顔つきを変えた三能先生に少し厄介だなと俺は眉を寄せて緊張を走らせる

「こいつ、何言ってんだ？」

「あたしたちをエサにする気なんじゃない？」

「えーー!?」

「ま、とにかく夜を待った甲斐はあった
いいのが、まとめて来てくれた」

『………！』

三能先生の体の周りに浮いていた蛇がいきなり突っ込んでくるのに対して俺は良守、時音を結界で守ると守り損ねた斑尾にも結界を張ろうとすると蛇がそちらに飛んでいった

『結！』

「ひゃ！」

なんで斑尾を狙った？
天穴を投げ捨てた後、集中するために深呼吸する

「へぇ、面白い術を使うな。うーん、そっちも面白そうだけど…やっぱり妖かな。人間てたいして進化しないし」

『結』

三能先生の体を一旦取り囲もうと結界を張ろうとするも、蛇が形成を邪魔してきた
素直に言いたい。こいつめんどくさいから俺は帰ってもいいか？

「やっぱりキミには、素直に養分になってもらおう」

俺の背後を狙って来た蛇に長く形成した結界を張り、進行方向を阻む。一度に3匹を相手にするのは別に構わない…んだが

意外と蛇の動きが速い上にリーチが長い
一度に全部囲うのは無理そうだが、一部だけを囲って滅すれば…

『滅！』

容易いことだ

「ぐっ！」

『！』

俺が蛇の一部を滅すると、三能先生の方にダメージが入った
つまり、この蛇と三能先生は繋がっていると言うことか…

「ちょ、兄ちゃん！復活した！」

『見てないでなんか考えろよ…』

俺が形成した結界の中でわーきゃー騒ぐ良守にイラッとしたが、まあ別にいい。
あの蛇はどうも妖という気配ではない。つまり、何かがあの蛇や先生を操っているということだろうな

『おい、斑尾』

「ん？」

『妖の臭いはわかるか？』

「あたしに言うんじゃないよ…でもまあ、あれだよ」

『わかった』

俺の真正面にいる蛇の頭上にある小さな妖が見える。さて、1発で終わらせるか

「おい、兄ちゃん！」

「守真くん!?」

蛇の顔面を身動きできないように結界を張り、蛇の頭に寄生している妖を囲い込み、そのまま滅却した

滅却すると同時に、三能先生は気絶し倒れてしまった
俺は結界を解除し、天穴を手にした

(すごい…あの一瞬で正確に…)

(怖えー…)